3組は石田がトップを奪い、立大勢が続く
主力選手が多数出場した3組は石田洸介(東洋大4)を中心に進み、5000mを14分29秒で通過した。
「序盤は引っ張りましたが、このままだと(他校の選手に)利用されると思ったので、我慢して落として、勝負どころを見極めました」と石田。残り3周で再び前に出ると、ライバルたちを引き離していく。後続に40mほどの差をつけて、28分58秒11でゴールに飛び込んだ。
「途中、何人か前に出る選手がいたので、その揺さぶりを利用しながら仕掛けられたのは良かった。出雲と全日本は表彰台、箱根は総合優勝を狙っています。今までにない東洋大学の強さ見せていきたい」
関東インカレの1部10000m(6位/28分08秒29)に続いて激走した石田の言葉には力がみなぎっていた。
後続の集団では立大が躍進した。林虎太郎(4年)が29分04秒32で2着、國安広人(3年)が29分04秒86で3着に入ったのだ。総合成績も3位に浮上して、初出場が見えてきた。一方、法大は清水郁杜(3年)が途中棄権となり、チームとしては「記録なし」に終わった。
エースたちが激突した最終4組
最終4組には8人の留学生が出場。5000mを13分53秒で通過する高速レースになった。日本人選手は吉田礼志(中央学大4)、山口智規(早大3)、小林亮太(東洋大4)の3人が、集団から飛び出すかたちになり、5000mを14分12秒で通過した。
ジャームス・ムトゥク(山梨学大3)が28分08秒12で制したレース。日本人トップ争いは吉田と山口に絞られた。「遅れていた堀田(晟礼)の分までやるしかない」と積極的に引っ張った吉田が先にスパートを放つ。
しかし、早大のエースもしたたかだった。「ラスト1000mで絶対に上がると思っていたので、ショートスパートでかわせる距離をはかっていました」と〝計算通り〟のスパートで逆転に成功。28分36秒15の4着で日本人トップに輝いた。
総合成績は東海大が3時間55分28秒21で1位。10000m平均タイムトップのスピードを酷暑のレースでもしっかりと発揮した。2位は最終4組でも小林が8着(28分54秒89)、梅崎蓮(4年)が11着(28分58秒71)と好走した東洋大で、東海大とは約9秒差だった。主将・梅崎は石田の走りに刺激を受けたようで、「エース区間を譲りたくないとは思わないですけど、やっぱり負けなくない」と話していた。
3位には早大が入った。来年の東京世界陸上を5000mで狙っている山口智規は、「箱根が一番大きな目標になりますが、出雲と全日本は得意としている駅伝なので、いかに優勝争いできるのか。僕が他校のエースと張り合う、または勝ち切れるような存在になりたいです」と意気込んでいた。
4位は日体大、5位は立大、6位は帝京大、7位は神奈川大。ここまでが選考会を通過した。次点の明大はボーダーラインに約16秒届かなかった。ひとりあたり「2秒」というわずかな差が明暗をわけたことになる。