2015、2016年以来の出演となる「ファンタジー・オン・アイス」
5月に開幕する「ファンタジー・オン・アイス」(幕張、愛知)への出演も決定している。2015、2016年に参加してから久しぶりに立つ舞台だ。
「お母さんにも『よかったね』と喜んでもらえました。自分でもそのときの写真をたまに見返したり、いつかまた出たいという気持ちが強かったので、今回呼んでいただいてありがたいです」
念願のアイスショー出演も次々に現実となった今シーズン。
「自分が楽しんでスケートできているのがいちばん大きいかなと思っています。いろいろ葛藤している時期とか精神的に不安定というか、いらいらしたり落ち込んだりということが多かったので、環境を変えてリフレッシュしたのか、落ち着いて自分をコントロールできるようになったと思うので、そこが成長につながったのかなと思います」
そのシーズンは恩返しにもなった時間だ。
「(都築)先生は喜んで、いろいろな試合のあとなどにメールをくださっているんです」
うれしそうに青木は語った。
充実したシーズンやプログラムについて話す中で、青木は何度か「最後のシーズン」という言葉を使っている。試合のあとに今後を尋ねられることもあった。シーズンを過ごしてきて、心境も変化しつつある。
「自分に合った練習がやっとこの歳になってみつけられたのかなって思いますし、それがやっぱり結果にもつながってきています。今やめたら『まだできたのに』って思うことがあるかもしれないなって、今は前向きに考えています。1年間続けるということが、もちろん経済的にもですけど、自分の体と心にどれだけ大変なのかはほんとうに分かっているので、それをやりきれるって自分の覚悟がしっかりついたら決断できるのかなって思います」
最後に尋ねた。
——青木祐奈とは?
「スケートの、表現することの楽しさを知っている人、と思います。もちろんたくさんそういうスケーターはいますけど、自分はその気持ちが強いかなと思います」
——青木祐奈というスケーターの魅力は?
「音楽を1つ1つ捉えて表現できるスケーターです」
長く苦しい時間が続いてもあきらめることはなかった。ジャンプに、表現に惹かれ、スケートを追求してきた。不屈の精神の根底にあるスケートへの強い愛着とともに歩み、演技で観る人々を惹きつけ、自身も笑顔で終えられるシーズンがある。
3月25日、青木祐奈は現役続行を発表。
もっと羽ばたいていくストーリーを描くために、笑顔とともに進んでいく。