今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 日常生活でスニーカーを着用する上で重要な要素となるのが快適性であることは言うまでもない。ではそのファクターを創出するために、最も有意に働く機能とは何か? 履き心地に直結するソールのクッショニングは当然の一番手。次に選ぶのであれば、その上に載るアッパーの“防水性”ではなかろうか。

 雨で濡れることを見越して長靴を履いて出かければ話は済むが、それでは多様なシーンに対応するのは難しい。特にこの十数年で徐々に気候が変化し、時間降水量50mm以上の滝のようなゲリラ豪雨がいきなり降ってくることも珍しくなくなった我が国ならばなおのこと。求められるのは、普段のライフスタイルに違和感なく溶け込みつつも、水濡れの不快感を防いでくれるかどうか。要は“都会顔の防水性”である。

 今回はその一点に注視し、洒脱な見た目からは想像のつかない優れた防水性を誇るモデルを厳選した。秋雨前線に引っ張られ、まだまだ続く見込みの台風シーズンさえも、この5足さえあれば恐るるに足らずだ。

 

1. CAMPER「Brutus Trek」

シューズ¥40,700/カンペール(カンペールジャパン)

最高の快適性に、あざやかなアクセントカラーをプラス

 一番手はスペイン発のカンペールだ。’90年代に一世風靡したデッキシューズやチャッカブーツが記憶にある人も多いだろう。ここではアウトドアやトレッキングの世界からインスピレーションを得た新定番「ブルートゥス」のサイドゴアブーツに注目したい。

 光沢感のあるLWG認定レザーを用いたアッパーに分厚いラバーソールを合体。鮮やかなイエローが秋冬の着こなしに彩りを添えるだけでなく、リサイクル防水メンブレンによる”ハイドロシールド”テクノロジーで悪天候下でも内部をドライに保ち、快適な履き心地を約束する。さらにグリップ力と耐久性に優れたラバー製スタッズを装着したミシュラン・ラバーアウトソールで、文字通り秋冬の足元を支える一足となり得る。