今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

“夏は暑いもの”というのは、我が国に古来より伝わる常識だが、今年の夏は少しばかりワケが違う。7月から列島各地で30℃超えを記録し続け、8月に入った現在は連日の猛暑日続き。気温上昇は青天井、ジリジリと容赦なく降り注ぐ陽射しに、押し寄せる熱波。そんな厳しすぎる環境下のコンクリートジャングルに限界を感じたら、賢人たちは街を出てアウトドアを目指す。

 その時に頼れる足元選びとなると、スニーカーのクッショニングと機動性、そしてサンダルの軽快さ&通気性を併せ持つ“サンダルスニーカー”であることは間違いない。今回は海に川にと夏の定番アクティビティを楽しむために必須のキーワード“水陸両用”を謳う二刀流スニーカーを厳選。

 ここで注目すべきポイントは、足を保護するカバーリング力とイージーな脱ぎ履きを叶えるフィッティング機能である。アウトドア熱がさらに高まっていくこれからのシーズン、ぜひこの頼れる相棒と共にひと夏の素晴らしき思い出を。

 

1.Salomon「TECHAMPHIBIAN 5」

サンダルスニーカー¥12,100/サロモン(サロモン コールセンター)

ワンアクションでキッチリ締め上げ、ストレスフリーの履き心地

 機能性とデザイン性を兼ね備えたテック系ファッションの隆盛とともに注目を集めるサロモン。ウォーターシューズとして開発された本モデルは、速乾性と通気性に優れた素材をアッパーに採用し、泥や土埃からもプロテクト。完全縫合構造と補強トゥキャップにより地面の凹凸や衝撃からも足を保護する。

 さらにアウトソールは接地面との密着性を高めることで、濡れた滑りやすい路面においても確かなグリップ力を発揮。ヒール部分を折り畳めば、サンダルのように履くことも可能だ。

 さらには細く丈夫な紐によるレーシングシステムも同社のシグネチャーである。ワンアクションで締め上げることができて着脱もしやすく、ストレスのない履き心地を存分に楽しめる。