独自の審美眼を貫く、世界のレジェンドたち。政治家から作家、思想家、建築家、ビジネスエリートまで、彼らが身に着ける品々から、その生き様も見えてくる。いかに洋服を楽しみ、相手への印象を考えて装っているのか、ドレスファッションに精通するスタイリスト四方章敬氏が解説。今回は稀代のファッションデザイナー、ラルフ・ローレン氏。アメリカントラディショナルスタイルの代名詞として、ブランドのスタートから50年以上、世界中から愛されている「ラルフ ローレン」の創業者であり、御年83歳でありながら現役でデザイン分野を監督している。着こなしを知り尽くした“生ける伝説”ラルフ ローレン氏の装いに迫る。
写真=アフロ 協力=四方章敬 編集・文=名知正登
クラシックとスポーツの相反するテイストを自然に馴染ませる
2014年9月、ニューヨークの五番街に新しくオープンしたラルフ ローレンのショップに現れた。御年80歳を過ぎても、市民からの注目度は増すばかり。
「クラシックスタイルとスポーツの掛け合わせ具合が巧み。チェンジポケット、タック入りパンツとクラシックなスーツにイエローのスポーティなスニーカーを合わせたミックスコーディネートはかなりハイレベル。インナーにポロシャツを合わせてスポーティなアイテムを投入することで、スニーカーとうまく呼応させています。これがシャツだとスニーカーだけ浮いてしまうのですが、ポロシャツっていうところがニクイ。しかも、鹿の子素材なのがさらに良いですね。また、スーツからインナーまで黒に統一してスニーカーだけイエローでハズしているところもさすがだなと感銘を受けました。さすが御大ラルフ・ローレン、言うことなしです!」