今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 ファッションが周囲に与える影響について考えた時、“清潔感”が1つのキーワードとなるのは周知の事実。さらに大人の男であれば、その重要性はより高まっていく。特にこれからの季節は、湿気と鬱屈した気持ちを誘う梅雨が待っており、夏が近づけば高まる気温と肌を焼く灼熱の日射しによって、汗もかくし不快指数上昇待ったなし。

 そこで導き出される夏の足元選びの最適解が、クリーンな印象を呼び込むカラーリング“白”だ。しかもそこにスニーカーの軽快さが加われば、その効果もさらに際立つ。とはいえ定番中の定番だけに選択肢は多種多様。ゆえに何を選べばいいか分からないという声も出てきて当然といえよう。

 今回は、どんなスタイルにも対応してくれるスタンダードなデザインに焦点を当ててセレクト。どれもアッパーには大人の着こなしにもよく似合うレザーを採用し、程よくスポーティかつシンプル。夏はもう目前、今の内にチェックしておくのが正解だ。

 

1. PELLICO SUNNY「GIOIA」

スニーカー¥42,900/ペリーコ サニー(アマンオンラインストア)

足元からクラスアップを叶える、美しくもベーシックなラウンドトゥ

 良質な素材と熟練された職人の技術で作られるシックでエレガントなシューズが人気を博す、イタリアンのシューズブランド、ペリーコ。その魅力をカジュアルに楽しむことのできるディフージョンラインから、ベーシックなラウンドトゥの「ジョイア」に注目。

 しっとりと肌馴染みの良い牛革のアッパーは、トゥ部分を低く設計したロープロファイルなフォルム。程よくボリューミーなソールデザインも相まって実にモダンだ。

 無駄を省きながらも手仕事の温もりを感じさせる洗練されたディテールも、カジュアルからエレガントまで幅広いスタイルと相性の良さを見せる。足元からクラスアップを叶えてくれるだろう。まさに大人の白スニーカーの基本形と言える一足。