格式高いタキシードも、スリム&ナローを選ぶガレス流モードセンス

写真:REX/アフロ

 その年のスポーツで目覚ましい活躍を見せた選手・監督を表彰するBTスポーツビジネスアワードにはブラックタキシードで出席。

「一見、オーセンティックなタキシードスタイルですが、よく見るとナローラペル、パンツがスリムフィットとモードなタキシードです。授賞式のタキシードスタイルは他の出席者と同じようになりがちですが、こういった少しだけデザイン性があるタキシードをチョイスするこだわりは流石。シャツの襟幅、ボウタイもタキシードのラペルに合わせてもう少しコンパクトであればさらに良かったかもしれません」。


 現役時代はプレミアリーグのクリスタル・プレスFCやミドルスブラFCで活躍し、2016年にイングランド代表監督に就任。ディフェンスの選手としては試合で鉄壁の守りを見せたが、着こなしは決して守りに入らず、完璧なサイズバランスのコーディネートにさり気ないユーモアとウィットを潜ませる。

 また、装いだけでなく、態度もジェントル。PK戦で勝利した味方選手に駆け寄らず、PKを外した相手選手を慰めているシーンが話題になった。外面だけではない、内面から滲み出る気高い精神と知性に英国紳士が垣間見える。

 

四方章敬(しかたあきひろ)
1982年京都府生まれ。スタイリスト武内雅英氏に師事し、2010年に独立。ドレスファッションに精通し、「LEON」「MEN’S EX」「MEN’S CLUB」など、多くのメンズファッション誌からオファーを受ける敏腕スタイリスト。業界きってのスーツ好きとしても知られ、イタリア・ナポリまでビスポークに赴いた経験もある。最近はセレクトショップやブランドと共同でウェアのプロデュースを手掛けるなど、活躍の幅を広げている。