独自の審美眼を貫く、世界のレジェンドたち。政治家から作家、思想家、建築家、ビジネスエリートまで、彼らが身に着ける品々から、その生き様も見えてくる。いかに洋服を楽しみ、相手への印象を考えて装っているのか、ドレスファッションに精通するスタイリスト四方章敬氏が解説。今回はサッカー・イングランド代表を率いるガレス・ハロルド・サウスゲート監督のジェントルな着こなしに注目したい。

写真=アフロ 協力=四方章敬 編集・文/名知正登

正統なネイビースーチングをニットタイとローファーでドレスダウン

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 サッカーの2020年欧州選手権(EURO2020)、ロンドンのウェンブリースタジアムで行われたイングランド対イタリアの決勝戦のピッチで悔しそうな顔を浮かべるガレス氏。イングランドは惜しくもPK戦で敗れた。

「ネイビースーツ、白シャツ、ドットタイとシンプルなコーディネートですが、タイをニット素材にして、正統をうまく着崩していますね。それに合わせて靴をローファーにしていてカジュアルさを同調させているところもいい。また、スーツのボタンの茶色を拾って、靴に光沢のあるブラウンを選んでいるところもすごいなと感心しました。さり気なくシンプルなブレスレットをしているのも洒落ています。スーツにアクセサリーってあまりしないですが、これくらいシンプルなブレスレットであればアリですね!」