iPhoneの売上高、前年同期比9.7%増
こうしたアップルの底堅さは22年7~9月期決算にも表れている。
同四半期の「iPhone」の売上高は前年同期比9.7%増の426億2600万ドル(約6兆3000億円)だった。この前年同期比伸び率は4~6月期実績(2.8%)を上回っている。
市場回復は23年から、ただし緩やかに
今後のスマホ市場を地域別にみると、中・東欧を除く世界の全地域で、22年の出荷台数が前年割れとなる見通し。世界最大市場の中国は、従来予測と変わらず12%程度減少するという。中国市場の規模を考えると、この減少率は世界全体に大きな影響を及ぼすとIDCは指摘する。
また、北米、西欧、日本などの先進国市場の需要はやや改善するとみられる。だがそれでも1桁台前半から半ばの減少が予想される。アジア太平洋地域や中南米、中東、アフリカなどの新興国市場は2桁台の大幅減が予想されるという。
IDCのライアン・リース氏によると、スマホ販売は世界中でいくつかの変わった動きが見られるようになった。例えば、高価格帯スマホが多く販売される先進国市場は、その何分の1の価格で販売される新興国市場よりも好調に推移している。
その理由としてIDCは、先進国市場における割賦販売や下取りプログラムの充実を挙げている。
ただ、23年以降に目を向けると、世界市場が成長するためには新興国市場の力強い回復が不可欠だという。
IDCは従来予想で市場回復時期を23年としていた。見通しは依然変わらないものの、7~9月期の市場動向を考慮すると、その時期は遅れるという。「22年内は出荷台数がさらに大幅減少する。回復が見られるのは23年からで、その速度は緩やかなものになる」(IDC)としている。