激変するビジネス環境において、これまで以上に重要性が増しているといわれるCFO(Chief Financial Officer=最高財務責任者)とCFOが率いるファイナンス組織。その提供価値はどのような変化を経て、この先どこへ向かうのか。20年以上にわたって多くの企業のコンサルティングに携わってきたボストン コンサルティング グループの日置圭介氏が、経営のアジェンダの変遷を振り返りながら、今後目指すべき方向性を示す。

※本コンテンツは、2022年7月26日(火)に開催されたJBpress主催「第4回ファイナンスイノベーション」の基調講演「今あらためて考えるファイナンス組織の提供価値」の内容を採録したものです。

経理財務と経営企画の役割を併せ持つ、CFOという役職

 日本CFO協会による定義では、CFOの役割は、企業会計・財務の領域のみならず、コーポレートファイナンス全般をカバーすることとされている。ボストン コンサルティング グループ(BCG)パートナー&アソシエイト・ディレクターの日置圭介氏は、これを「日本企業でいえば、いわゆる経理財務と経営企画を一緒にしたような役割」と表現する。実際に日本企業でも、この2部門を統合する動きが近年増えているという。

 さらに具体的に、日置氏がこれまで携わってきたコンサルティングの中でつかんだCFO像を言い表すとすれば、「会社のことを最もよく知る人であり、正しくお金を活用させる人であり、企業の価値をしっかりと語れる人」だという。

「会社のことを知る」とは、レポートラインをつないで情報網をすみずみまで整備し、会社のことをよく理解できる状態につくり込む。これは外資のCFOに多いタイプだ。また「正しくお金を活用させる」とは、予算管理はもちろん、時にはリスクを取ってでも経済的・社会的価値を高めるために、必要なお金を正しく活用させる権限を持つということ。「企業の価値を語れる」というのは、ステークホルダー全般へ、自信をもって自社の強みを伝えられることを指す。

 このような役割を果たすCFOは、マネジメントチームにおいてもクリティカルな存在だと日置氏は語る。「特に大きな企業になればなるほど、かじ取りは難しく、社長やCEOが1人で解決できる時代ではなくなってきています。CFOは現代のマネジメントチームにおいて、重要な役割を担うと期待されています。したがってCEOのサクセション(継承)はよく話題に上りますが、実はCFOのサクセションも併せて見ておくべきポイントだと感じています」