ツイッターやテスラ、ネットフリックスなど人員削減

 米ツイッターは22年7月7日、採用部門の人員を3割削減すると明らかにした。米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は22年6月初旬にサラリー(月給)ベースの従業員を10%削減する計画を明らかにした。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、テスラは6月下旬に約200人をレイオフ(一時解雇)した。

 米動画配信大手のネットフリックスは利用者数の減少に対応するため、従業員の約3%を削減した。ビデオゲーム関連企業では、米ユニティー・ソフトウエアや米ゲームストップが最近、人員削減に踏み切った。米EC大手のアマゾン・ドット・コムは一部部門での採用抑制を検討している。アマゾンの幹部は最近、「物流倉庫の収容力が需要を上回っており、一部地域で人員過剰になっている」と述べた。

 配車サービスや料理宅配を手がける米ウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEOは22年5月に社員宛のメモで、「市場と投資家心理が変化しており、収益性に注力する」とし、「新規採用の時期や部門について慎重に検討する」と述べた。

 米SNS(交流サイト)大手のメタ(旧フェイスブック)は18年以降、従業員数を2倍以上に増やした。だが同社は22年5月4日に、新規採用ペースを大幅に緩めると明らかにした。メタの広報担当者は22年1~3月期の業績結果に触れ、同四半期の決算発表時に示した経費ガイダンスに沿って増員ペースを減速させると述べた。

需要予測見誤った可能性

 ウォール・ストリート・ジャーナルはエコノミストらの分析として、こうした状況の変化は「コロナ禍で自社製品やサービスへの需要が急増し、好況を享受していたテクノロジー大手が、その先の需要予測を見誤った可能性がある」と報じている。アマゾンなどのテック大手はコロナ禍の中、前例のないペースで従業員数を増やしていた。

 米アップル、米マイクロソフト、米グーグルの持ち株会社のアルファベット、メタの4社の合計フルタイム従業員数はこの5年間でほぼ2倍に増え、56万3000人になった。

 米求人検索サイトのインディードのエコノミストは、「テクノロジー業界は今のところ、少なくとも景気後退モードではなく、調整モードにあるのではないか」と分析している。彼らは今後半年~1年間に必要となる人員の数を過剰に見積もっていた。その調整を今行っているようだと指摘している。

 (参考・関連記事)「テスラCEO、オフィス職1割削減 景気後退の事前対策 | JDIR