1つは、高速通信「5G」サービス。iPhoneは12シリーズから5Gに対応している。同通信サービスの普及に伴い、iPhoneの買い替え需要が増大しているという。もう1つは、スマホ市場で競合する中国・華為技術(ファーウェイ)の失速だ。ファーウェイは米政府の禁輸措置で半導体やソフトウエアの調達が困難になり、スマホを含む消費者向け電子機器の生産量が低下。21年1~6月期の消費者向け事業の売上高は47%減少した。その一方でアップルは5G対応によって中国市場でiPhoneの販売を伸ばした。
アップルが直面する「2つのリスク」
ただ、アップルにはリスクもあるという。ファーウェイ以外の中国メーカーの台頭だ。同紙によると、中国スマホ市場の上位3社は、中国vivo(ビボ)、中国OPPO(オッポ)、中国・小米(シャオミ)。アップルはこれに次ぐ4位。
このうち、シャオミは世界市場でアップルを脅かす存在になっている。香港の調査会社カウンターポイント・リサーチによると、シャオミは21年6月に、世界スマホ販売台数で初めて首位に浮上した。同社はファーウェイの穴を埋めるように欧州や東南アジア、中国などの市場で躍進している。
アップルにとってもう1つのリスクは半導体などの電子部品の供給不足問題だ。アップルは21年4月、パソコン「Mac」とタブレット端末「iPad」について、4~6月期に30億~40億ドル(約3300億~4400億円)の売り減が生じると指摘していた。
アップルの幹部は21年4~6月期の決算発表で、影響を最小限に抑える施策によって同四半期の逸失売上高が全体で30億ドル弱にとどまったと説明した。だがこの時、ティム・クックCEO(最高経営責任者)は、半導体不足に伴い製品供給が制約され、7~9月期のiPhoneとiPadの販売に影響が及ぶとの見通しを示した。
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