「調整後EBITDA」の年内黒字化目指す
ウーバーの21年1~3月期の売上高は前年同期比11%減の29億300万ドル(約3200億円)で、4四半期連続の減収だった。純損益は1億800万ドル(約120億円)の赤字。ウーバーが利益水準の指標として重視している調整後EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)は3億5900万ドルの赤字だった。
リフトの21年1~3月期の売上高は同36%減の6億900万ドル(約665億円)。純損益は4億2700万ドル(約466億円)の赤字。調整後EBITDAは7300万ドルの赤字。ウーバーとリフトはこの調整後EBITDAを21年末までに黒字化する目標を掲げている。
企業買収や新事業立ち上げで収益拡大狙う
両社は企業買収や新事業立ち上げなどを通じて収益拡大を狙っている。ウーバーは20年7月、米料理宅配市場で4位の米ポストメイツを買収すると発表。21年2月にはアルコール飲料の宅配を手掛ける米ドリズリー(Drizly)を買収することで合意したと明らかにした。これらを同社の料理宅配事業「イーツ」に統合する。
ロイターによると、ウーバーは米食品スーパー2位のアルバートソンズや米会員制卸売り大手コストコ・ホールセールと提携。21年5月にはソフトバンクグループ(SBG)のビジョン・ファンドが出資する、食品・日用品の配達サービス、米ゴーパフ(Gopuff)との提携を発表した。
先ごろはウーバーの物流サービス子会社ウーバーフレイトがトラック輸送管理のソフト開発を手掛ける米トランスプレイスを22億5000万ドル(約2500億円)で買収すると米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが報じた。
米CNBCなどは21年7月、リフトが自動運転の配車サービスを米フォード・モーターや米国のスタートアップ企業と立ち上げると報じた。21年内にフロリダ州マイアミでサービスを開始し、22年にテキサス州オースティンにも広げる計画。5年以内に複数の都市で約1000台の自動運転車を稼働させるという。