顧客分析のための商圏分析システム「KDDI Location Analyzer」
山本氏はさらに、こうした具体的施策にひも付くソリューションについても解説を加えた。まずは「顧客分析(商圏分析・ターゲット分析)」だ。
この施策では、従来型の公的統計データと比較し「解像度の高いデータ」「人の移動量や移動手段が分かりやすい」「来店者の居住地域が把握できる」などの特徴がある商圏分析システム「KDDI Location Analyzer」の活用が前提となる。
KDDI Location Analyzer では、KDDIの持つGPSデータと性別や年代などの属性データ(ファクトデータ)を活用。これは商圏および推定来店者の精度の高い分析を可能にするセルフ分析ツール(GIS)であり、さまざまなデータを地図上に可視化しながら分析を行うことができる。
「2度目の緊急事態宣言を受け、新宿・歌舞伎町の宣言発出後の人出は、発出前に比べて30%ほど減少しました。また、営業自粛の影響で20時以降の人手も大きく減少しました。KDDI Location Analyzerでは、感覚的に捉えていたこれらの事象もより確実性の高いデータとして可視化でき、施策立案につなげられるようになります」
セブン&アイ・ホールディングスの総合ディベロッパー会社として、商業施設開発などを行うセブン&アイ・クリエイトリンクは、コロナ禍でお客さまアンケートなどの接触型の調査が難しくなり、代替のデータ収集方法を模索、KDDI Location Analyzerを導入し、「調査マーケティングのDXを実現した」という。
「動態分析から集客施策を考え、その集客施策から店舗に来店したお客さまの情報を収集する。それにより全体の施策検証を行い、また新しい企画立案にフィードバックする。こうしたPDCAのサイクルを回せることがKDDI Location Analyzerの強みです」
集客・来店計測・店内分析で実現する「最適化」
顧客分析以降のプロセス(集客→来店計測→店内分析)について山本氏は、以下のように説明した。
「まずは、集客(位置情報・広告配信)です。KDDIのキャリアデータをもとに、住所・郵便番号、さらには基地局(2021年度上期より提供開始予定)など高精度の位置情報データを活用し、ターゲットに対してバナー広告・メール広告などのデジタル広告を配信。的確な位置情報ターゲティングを実現します。
また、広告配信の際、来店計測のIDを広告に付与する施策も可能です。店舗にはセンサーを設置し、店舗への来店者数をカウント。同時に来店されたお客さまの属性分析、店内の動線解析もダッシュボードなどで可視化できるようになります」