
※本コンテンツは、2021年3月23日に開催されたJBpress主催「第3回 リテールDXフォーラム」のセッションⅢ「ニューノーマルにおけるストアマーケティングとは! KDDI×Supershipが考える店舗ソリューション」の内容を採録したものです。
KDDI 株式会社
サービス統括本部 パートナービジネス開発部長
山本 隆広氏
(2021年3月時点)
リテール業界を取り巻く環境は「コロナで悪化」
KDDIでサービス統括本部 パートナービジネス開発部長を務める山本隆広氏。2015年から携帯キャリア「au」のデータ利活用推進事業に従事、2020年からはデータ活用による企業とのアライアンス推進をけん引した。2020年9月には、ローソンと共同プロジェクト「スマートフォンの位置・購買情報に基づき、店舗の状況に応じてお客さまニーズに合わせた特典を配信する1to1マーケティングの実証実験」も担当している。
リテール業界を取り巻く環境は時々刻々と変化している。特に2020年から始まった新型コロナウイルス感染拡大に端を発し、国内経済は深刻な打撃を受けている。それはリテール業界も例外ではない。
ニューノーマルとも呼ばれる新時代に向け、リテール業界はいかなる変革を打ち出していくべきなのか。本セッションにて山本氏は、KDDIのソリューションをつまびらかにした。
「かねてよりリテール業界では、スーパーマーケットを中心にスマホアプリ提供を含めたデジタル活用やeコマース強化で収益を伸ばしている業態がありましたが、コロナ禍で消費者の行動変容、構造的な労働力不足、Amazonエフェクトの脅威といった課題が浮き彫りとなり、国内の小売業者は喫緊かつ根本的な変革を迫られています。

以前は『現場の勘に基づく仮説立案が主流』『集客や販売促進施策への効果検証が不十分』であったのに対し、コロナ禍では『従来の現場の勘に基づく仮説が立てられない(変化する顧客傾向の把握、それに基づく施策立案)』『外出自粛に伴うオンラインでの集客と良好な関係づくり』が課題です。ポストコロナ環境においてデジタル活用によるビジネスシフトは、リテール業界にとっての急務と言えるでしょう」
上記を受け、山本氏は次のように要点を示した。
●顧客との“オンライン、オフライン”双方のつながりがより重要になっている
●顧客傾向の把握、オンライン接点の強化、体験価値向上、施策の効果検証が必須
リテールの課題を解決するOne Data Marketing Platform
同社は長らく電気通信事業者として確固たる地位を築いてきたが、こうした環境にあってeコマース・電子決済・エネルギーといったライフデザイン領域の事業にも注力している。
「これらは、お客さまの活動を“データ”(キャリアデータを基にした高精度のデータ・DSPオーディエンスデータや外部分析データなどの豊富なデータ)として捉え、お客さまの同意を得ながら次なる事業に活かしていくものになります。取り組みで得たノウハウ、ソリューションを企業・自治体さまに活用いただきながら、さまざまな課題解決にお役立ていただくのがわれわれの使命だと考えています」
KDDIのグループ企業であるSupership株式会社も、そうした取り組みから誕生した。
KDDIのオープン領域における事業拡大の推進を目的として設立されたSupershipホールディングス。その中核企業として5社合併によるSupershipを設立し、その後も多くのスタートアップ企業のM&Aによりグループを拡大してきた。スタートアップ企業のスピード感と高度なテクノロジーに加え、大企業のアセットをもとにビジネスを展開するハイブリッドスタートアップとして成長を続ける。インターネットの世界からリアルの領域まで、グループ各社のデータとテクノロジーを強みに、あらゆる分野での事業拡大・新規事業の創出を目指しているという。

Supershipの取り組みにより、「顧客分析、広告配信、効果測定までを一気通貫で実現する “One Data Marketing Platform”を構築する」と話す山本氏。同プラットフォーム上ではオンライン(属性データ、Web行動データ、検索キーワード)からKDDI×Supershipの保有する2000万ユニークユーザーの高精度なデータを分析するとともに、オフライン(ストア)からも店内動線データや近接データを活用することで、商圏や利用者属性に合わせた効果的な広告配信を実現できるという。

具体的な顧客をターゲットや段階ごとにまとめると、次のような施策が見えてくる。
① 新規顧客獲得(商圏内の居住者、通勤者への広告配信による
初来店者数の向上)
② リピーター獲得(来店者をセンサーで捕捉、リターゲティング
広告配信で再来店者数の向上)
③ 購買単価の向上(センサーデータで判別したロイヤルカスタマー
への広告配信→購買単価の向上)
顧客分析のための商圏分析システム「KDDI Location Analyzer」
山本氏はさらに、こうした具体的施策にひも付くソリューションについても解説を加えた。まずは「顧客分析(商圏分析・ターゲット分析)」だ。
この施策では、従来型の公的統計データと比較し「解像度の高いデータ」「人の移動量や移動手段が分かりやすい」「来店者の居住地域が把握できる」などの特徴がある商圏分析システム「KDDI Location Analyzer」の活用が前提となる。
KDDI Location Analyzer では、KDDIの持つGPSデータと性別や年代などの属性データ(ファクトデータ)を活用。これは商圏および推定来店者の精度の高い分析を可能にするセルフ分析ツール(GIS)であり、さまざまなデータを地図上に可視化しながら分析を行うことができる。
「2度目の緊急事態宣言を受け、新宿・歌舞伎町の宣言発出後の人出は、発出前に比べて30%ほど減少しました。また、営業自粛の影響で20時以降の人手も大きく減少しました。KDDI Location Analyzerでは、感覚的に捉えていたこれらの事象もより確実性の高いデータとして可視化でき、施策立案につなげられるようになります」
セブン&アイ・ホールディングスの総合ディベロッパー会社として、商業施設開発などを行うセブン&アイ・クリエイトリンクは、コロナ禍でお客さまアンケートなどの接触型の調査が難しくなり、代替のデータ収集方法を模索、KDDI Location Analyzerを導入し、「調査マーケティングのDXを実現した」という。

「動態分析から集客施策を考え、その集客施策から店舗に来店したお客さまの情報を収集する。それにより全体の施策検証を行い、また新しい企画立案にフィードバックする。こうしたPDCAのサイクルを回せることがKDDI Location Analyzerの強みです」
集客・来店計測・店内分析で実現する「最適化」
顧客分析以降のプロセス(集客→来店計測→店内分析)について山本氏は、以下のように説明した。
「まずは、集客(位置情報・広告配信)です。KDDIのキャリアデータをもとに、住所・郵便番号、さらには基地局(2021年度上期より提供開始予定)など高精度の位置情報データを活用し、ターゲットに対してバナー広告・メール広告などのデジタル広告を配信。的確な位置情報ターゲティングを実現します。
また、広告配信の際、来店計測のIDを広告に付与する施策も可能です。店舗にはセンサーを設置し、店舗への来店者数をカウント。同時に来店されたお客さまの属性分析、店内の動線解析もダッシュボードなどで可視化できるようになります」

広告主への掲載結果レポーティングや、媒体収益性向上のための接触者データ(人数・属性)取得に課題を感じていた総合広告会社 小田急エージェンシーでも、デジタルサイネージに同施策を導入することで、媒体価値向上と出稿コンテンツの最適化を実現した。
山本氏は以下のように総括する。
「グループ会社Supershipを含めた多様なデータを保有するKDDIは、一気通貫のマーケティングソリューションのご提供にとどまらず、導入や分析のコンサルティングも可能です。これまで店舗における対面接客を中心にお客さまとの関係構築を行ってきたものを、これからは“デジタル”を通じた新しい関係づくりに転換していく必要があります。ポストコロナ社会における『新たなお客さまとの関係づくり』を、トータルにご支援したいと考えています」
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