※本コンテンツは、2020年11月25日に開催されたJBpress主催「第4回 ワークスタイル改革フォーラム」Day2の基調講演「コロナパンデミック時代を乗り切るマインドセット」の内容を採録したものです。

株式会社圓窓
代表取締役
澤 円氏

COVID-19のインパクトはインターネットの登場に匹敵

 私は2020年8月まで日本マイクロソフトに在籍し、顧客にテクノロジーの価値を分かりやすく伝える啓蒙活動に近い仕事をしていました。マイクロソフトは自由度が高い会社で副業も可能だったため、その他にも、在職中から大学の客員教授や複数の企業の顧問として働いています。

 私がさまざまな業務をこなすことができるのは、早くからリモートワークの環境を構築するなど、テクノロジーをフルに活用してきたからです。そして今、世界はCOVID-19の影響で大きく変わりつつあります。これからの働き方をどう考えればよいのか。私のこれまでの経験をもとに、そのヒントをお伝えします。

 初めにCOVID-19のインパクトの大きさについて考えます。多くの人は、2020年に入ってからの突然のリモートワークに戸惑ったのではないでしょうか。リモートワークという言葉はかなり前からトピックになっていましたが、多くの人にとっては2020年がリモートワーク元年になったと考えられます。

 この変化は「ITツールを活用しましょう」などという次元のものではないということを認識することが大事です。今後は、あらゆるビジネスプロセスや生活様式が、コロナパンデミックでの学びを前提として変化していきます。私は、COVID-19の出現を境に、世界にはリセットボタンが押されたと考えています。

 このインパクトの大きさを分かりやすく例えるなら、25年ほど前に登場したインターネットに匹敵すると考えられます。もし今、「メールとファックスはどちらが効率的か?」と問われたら、比較すること自体がナンセンスだと感じるでしょう。しかしこれは25年前に実際に多くの人が口にした問いです。それほど世界は大きく変わったわけですが、同等の変化が新たに始まっているということになります。