1) パルコではコロナにより渋谷や札幌のような中心街店舗よりも調布や浦和のような生活者が多い地域のほうがコロナの影響が少なかった。同時に、渋谷インバウンド訪日客が減ったがオンラインのパルコには世界30カ国からの売り上げがあがった=ローカルとグローバル、足元商圏とお手元商圏をどちらも有する必要性。
2) 2020年11月に新装開店した大阪心斎橋のパルコ。入場制限をつけて予約制で新装開店店舗にお客様を招待したところ、人混みを避けてゆっくり店舗内を見られる安心感から通常の買い上げ率が80%を超えた。全国の店舗の平均が50%とのことで、1.5倍強になったのだ。これからは昭和・平成の新装開店のように行列を作って大人数を一気に動員するのではなく、一人ひとりの顧客に対して丁寧な接客をすることがロイヤルカスタマーを増やし売り上げ増につながる。
3) コロナにより都心での生活よりも、地方移住希望者が増加している。また、オンラインでの仕事が中心になるビジネスパーソンではオフィスは不要になりワーケーションのような新たなビジネススタイルも増えている。浜松市ではワーケーション利用者を受け入れるための施策を積極的に行っている。
未来を感じる〈オニワラ!ポイント〉に対して藤森さんがコメントをする際には、日本IBMがお客様やビジネスパートナーに対して伝えていた貴重なメッセージが含まれている。カジュアルな座談会だからこそ、藤森さんの知見がポロリとこぼれ出す。これこそまさにビジネス座談会をカジュアルに実施する醍醐味である。
より多くの方に有益な情報を伝えるために、企業の冠を外す
この「オニワラ!」は当初「IBMダイアローグ」という名称で進める予定だった。IBM Thought Leadersが発信するメッセージを、実践者を交えて“対話”することにより、より良い社会を作り上げる実行者が増える世界を作りたいと考えつけたネーミングだ。「Thinker から Doer へ」 を標語に IBM Thought Leaders メッセージを実践している企業・自治体・団体をお招きし、アクションを起こしやすいキッカケを提供することを目的としている。ただ、IBM Future Design Lab.のメンバーと会話をしている際に、メンバーの一人、幸野恵子さんが「IBMダイアローグという“IBM”という冠をつけてしまうと興味無いヒトには全く刺さらないので変更すべきではないか?」という指摘があった。なるほど、である。普遍的なメッセージを発信しているにもかかわらず一部の関心層にしか刺さらないという状況を起こしかねないタイトルが「IBMダイアローグ」には含まれていた。
今回の企画は、日本IBMとしてはチャレンジングな企画である。いままでの日本IBMのお客様やビジネスパートナーに向けてのメッセージではなく、toCustomer / toGovernment / toSociety, 変わりゆく社会、生活者に対してメッセージを発信し、テクノロジーやデータを活用しより良い社会を作り上げることを目指している。私は日本IBMに新入社員として入社したので経験として染み付いているのだがインターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)の名前のとおり、日本IBMはビジネスパートナー向けの情報発信が中心で社会全体、生活者向けに発信することは少なかった。それがコロナになり、デジタルトランスフォーメーションが進む社会になり、企業向けのメッセージだけではなく生活者そのものにも発信が必要になる。
そこで、IBM Future Design Lab.の古長由里子さん率いるチームのメンバーと「ビジネスイベントだけど、敷居が低く、日本IBMが発信したいメッセージがより多くの方に届くようなたたずまいを考えよう」と会議を重ねて生み出されたのが「オニワラ!」だ。これまた先述の幸野さんが「Future Design Lab.=未来の話をする、未来の話は鬼が笑う」という発想からヒントをくれたことにより生まれてきた。
結果として集客時から「なんか楽しそう」「オニを一緒に笑わせたいです!」というポジティブな反応があり、約1週間前の告知、特別に広告も打たずに200名近くの方に当日視聴してもらえた。また、平均視聴時間40分強という継続視聴時間も結果として得られた。