人間の視線の行きつくところ、すなわち「何を見ているか」の位置を把握できる技術。それがいったいどんな領域のどんな場面に活かせるというのか、すぐにはピンとこないだろう。しかし実はその価値が多様な業界の多彩な場面で期待され始めているという。日本における販売代理店となったスタヂオ・ユニの2人に、その中身を聞いた。
「目は口ほどにものを言う」・・・視線トラッキング技術が示す無限の可能性
ヒトの様子に注視する技術は以前からあった。防犯カメラしかり、ドライブレコーダーしかり、主にセキュリティや安全確保の目的で使われてきた。だがそれはすべて、様子や動作をキャッチするモノでしかなかった。しかしスイスのEyeware Tech社が開発した「GazeSense」は、Eye Trackingすなわち視線を追跡する機能を備えたツール。そのSDK(ソフトウエア開発キット)を通じて市販の3Dカメラ*に接続するだけで、カメラがとらえた人物の視線の行方をリアルタイムで座標表示してくれる。
*近日リリースのiOS版を使うと、iPhoneXに搭載されているフロントカメラ(3Dカメラ)をPCに接続して視線追跡用に使うことが可能。
「機能の中身を言葉で説明するだけではわかりにくいですよね。そもそも何に使えるのかさえイメージできないでしょう」
そう言いながら笑うのは、「GazeSense」の価値にほれ込み、日本における販売代理店の権利を獲得したスタヂオ・ユニの岡部俊氏。
株式会社スタヂオ・ユニ 執行役員 岡部 俊 氏