2020年7月14日に、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)主催の
スタートアップ共創イベント「Startup with IBM.」がオンラインで開催された。
ニューノーマル時代、企業は5つの変化と向き合わねばならない
日本IBMが2010年代からいち早く推進してきたスタートアップ企業との共創プログラム「IBM BlueHub」。その第6期によるDemo Dayは3月12日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響により延期を余儀なくされていた。今回の「Startup with IBM.」は、これをフルオンラインの形式で開催するとともに、パンデミックによって皮肉にも加速することとなったニューノーマル時代の到来に向け、企業が新たな価値を生み続けるための条件や姿勢について、内外の有識者とともに語り合う場として実施された。
日本IBM専務執行役員であり、グローバル・ビジネス・サービス事業本部長である加藤洋氏は、オープニングトークでこう口火を切る。
「COVID19後、あらゆる“標準・基準”が覆されるニューノーマル時代。私たちは5つの大きな変化が社会に起きると考えています。①ニーズの変化、②チャネルの変化、③新しい働き方、④新しいビジネスモデル、そして⑤業務回復・継続力です。そこで鍵を握るのがDX、デジタル技術とデータの活用を通じた変革となるわけですが、企業はそれらを単なる技術革新だけで終わらせるのではなく“体験の変革”へとつなげなければならない。では体験とは何を指すのか。顧客体験、従業員体験、パートナー体験、エコシステム体験の4つです。IBMでは今回のパンデミック発生以前から、この“体験の変革”へ向けた取り組みの1つとして『IBM BlueHub』を実施。過去5期に渡り、確かな成果を上げてきたと自負しています。今日はその第6期に選出された皆さんのこの半年間の成果を報告してもらいます」
日本IBMがどこよりも早く実行水準で推進してきたDXおよびオープンイノベーションの枠組みや、その主旨を説明したうえで、さらに加藤氏は「IBM×スタートアップ」の象徴である「IBM BlueHub」ばかりでなく、「IBM×大学」「IBM×地域」「IBM×グローバル」の共創事例を紹介。締めくくりにグローバルIBMのCEOアービンド・クリシュナ氏のメッセージを伝えた。
「『私の主要な優先事項のひとつはIBMにおける起業家精神を育成することです』というメッセージを、CEOはこの4月以来繰り返しグループ内外で発信しています。この起業家精神育成のためにも『機敏かつ現実的であり、洗練よりスピードを重視』『曖昧さを容認し、変化する状況に継続的に適応する』ことが必要だとも述べています。ですから、今後もIBMはあらゆる枠や壁をテクノロジーの力で飛び越えて、多様な共創の枠組みを動かし、スピード重視で成果を重ねていきたいと考えています。第6期のピッチに加え、スペシャルなパネルディスカッションも用意していますので、ぜひ我々のメッセージを体感して欲しいと思います」