今後はよりロジカルな営業活動が求められる
時には「足で稼ぐ」営業スタイルが成果を生むこともあるだろうが、人的リソースが減っていく中では、足や手数頼みの営業活動をメインに据えるのは現実的ではない。また、デジタル・ネイティブといわれる若者世代を中心に、顧客の情報処理能力も格段に向上しているという事実も忘れてはならない。
最近では営業活動にまつわる各種施策を包括的に管理・設計し、効率化を図る「セールス・イネーブルメント(Sales Enablement)」という考え方も広がりつつある。これからの営業担当者は、テクノロジーを用いて既存の煩雑なアナログ業務を効率化しつつ、様々なツールやデータを駆使してロジカルに営業活動を行っていくことが求められる。
2019年1月29日にエン・ジャパンが発表した「人材不足の状況」についてのアンケート結果では、「人材が不足している部門がある」と答えた企業のうち、35%が「営業職(営業、MR、人材コーディネーター他)」が不足していると回答。2位の「技術系(IT・Web・ゲーム・通信)」(18%)と大きく差をつける結果となっている。
そして、人材不足の原因として最も多く挙げられているのが「退職による欠員」(57%)であり、その対処法のトップには「新規人材の採用(欠員の補充)」(86%)が挙げられている。2位の「既存の業務を効率化する(ICT化、標準化等)」は35%、3位の「既存社員の教育、能力向上」は30%に留まっているが、今後はこの部分が伸びていくと予想される。
人海戦術的な営業手法はもはや通用しない。暗黙知を「見える化」してチーム内に共有し、実行した施策の効果測定を都度行っていく。それができる人材を集められさえすれば、企業は営業チームに多くの人員を配置する必要はなくなっていくだろう。営業担当者に求められるスキルや資質も、今後大きく変わっていきそうだ。