ロボットが自ら動き回りながら、人間に代わって日常業務を遂行する。そんな自律走行型ロボットを活用しようとする動きが目立っている。

 商業施設やオフィスビルの清掃や警備、小売店での商品棚卸など、自律走行型ロボットの応用領域は広い。生産年齢人口の減少に伴う労働力不足への対策の切り札として、ホワイトカラーの生産性向上を目的に爆発的な勢いで普及しつつある「RPA(Robotic Process Automation、ソフトウェアロボットによる業務自動化)」と並ぶ大きな潮流に発展しそうだ。

導入が相次ぐ自律走行型清掃ロボット

 この秋、清掃ロボットの発表が相次いだ。ソフトバンクロボティクスは2018年11月、オフィスや業務フロア向けのバキューム掃除ロボット「Whiz(ウィズ)」の提供を2019年3月以降に開始すると発表した(写真1)。最初に人がロボットを手押ししながら清掃エリア内を移動することで清掃ルートの地図データを作成し、Whizに記憶させる。その後はロボットのスタートボタンを押すだけで、Whizが記憶したルートにしたがって障害物を回避しながら自走してエリア内を掃除していく。

写真1 ソフトバンクロボティクスのバキューム掃除ロボット「Whiz」(出所:ソフトバンクロボティクス プレスリリース)

 Whizはソフトバンクロボティクスが2018年8月に開始した自動運転清掃・洗浄機向けサービス「AI清掃PRO」に対応したロボットの第二弾である。第一弾として同社は同月、商業施設などでの利用を想定した自動運転床洗浄ロボット「RS26 powered by BrainOS」を発売している。いったんRS26に乗ってフロア内を運転すると、Whizと同じように清掃ルートを記憶させることができる。あとはスタートボタンひとつでRS26が自ら床を洗浄して回る。