IoTで製造業はサービス業に飲み込まれるのか?

IoT時代、製造業の目指すべき姿とは?

小林 敬幸/2017.8.31

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IoT時代の製造業が生き残っていく方法とは。

 Internet of Things(IoT)、全ての人・モノがインターネットにつながるということだが、メーカーなどの企業にとっては、それだけでは収益を生まない。つながった上で、何を顧客に提案し、何を新たな価値として認めてもらえるかが勝負になる。

 IoTはそのインフラを提供するに過ぎない。新たな価値を生み出す基になるのが、「IoTで顧客とつながり続ける」という点にある。顧客とつながり続けることで、メーカーは従来のハードウエアのみの提供に留まらない、今までできなかった提案ができるようになる。

 例えば、自動車分野におけるテレマティクス保険が挙げられる。従来の自動車保険では、年齢、年間走行距離、事故経験などを基に、保険料が算定されてきた。これは1年間を通じての結果を基にした算出である。

 これが、常に顧客(ドライバー)の乗り方が把握できれば、より詳細なデータを基にした保険料算定が可能になる。運転日時、最高速度、平均速度のみならず、急アクセル、急ブレーキの回数などもデータとして取得し、顧客(ドライバー)別の事故リスク算定に活用することが可能となる。欧米では既にテレマティクス保険の導入は進んできている。

 日本でも類似コンセプトを活用したサービスが登場してきた。例えば、トヨタ自動車では、昨年、あいおいニッセイ同和損保と共同で、「フリート事業者向けテレマティクスサービス」を提供すると発表した。ドライバーの乗り方がダイレクトに保険料に影響する訳ではないが、ドライバーの運転状況を記録し、ドライバーやフリート事業者(車両管理者)に結果報告と事故低減アドバイスを行っている。この事故低減アドバイスを受けることで、フリート事業者は保険料が6%割引になる。

 メーカーが顧客とつながり続けることで、新たな価値提供を行う事例として、他にロボットメーカーの工場管理の提案が挙げられる。例えば、ファナックは、FA(Factory Automation)や産業用ロボットに強いメーカーであるが、近年、「Field System」という工場管理・運営ツールを提供し始めた。