“ネットの次”を生み出したいイノベーターに贈る1冊

<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則
著:ケヴィン・ケリー/訳:服部桂
出版社:NHK出版
ISBN 9784140817049

インターネット黎明期から約30年。モバイルと融合したシステムは現代社会に必要不可欠な物となった。サービスの一つひとつを見れば新しく生まれてきたものがあり、淘汰されていったものもある。その歴史が培ってきたものがこれからのプラットフォームになり、様々なイノベーションを生んでいく。本書は、いまがまさに、そのスタート地点であると強調する。

『WIRED』誌の創刊編集者だったケヴィン・ケリーによる執筆。黎明期当初はインターネットが超多チャンネルになると予測し、Wikipediaのようにアマチュアが書く百科事典は成立しないと思っていたという。そんなケヴィン氏自身がある種の失敗談を交え、テクノロジーの未来を予測する難しさや、AI(人工知能)、ロボットなどのトレンドに触れつつ、今後30年で避ける事のできないテクノロジーの大きな流れを考察する作品となっている。

本書は以下の12のテーマで構成されており、それぞれで核となるテクノロジーの事例を挙げているのが特徴だ。

1. BECOMING
2. COGNIFINING
3. FLOWING
4. SCREENING
5. ACCESSING
6. SHARING
7. FILTERING
8. REMIXING
9. INTERACTING
10. TRACKING
11. QUESTIONING
12. BEGINING

例えば「2.COGNIFINING」では、IBMのWatson(ワトソン)の前身にあたるマシン・ディープブルーとチェスの世界チャンピオンの対戦を例に人間対マシンの歴史に触れている。また「5.ACCESSING」では、アマゾンの電子書籍サービスKindle(キンドル)を例に、人々の消費行動が“所有権の購入”から“アクセス権の定額利用”へと転換されつつあることについて述べている。

今後30年の中で起こるイノベーションは、本書に記載されている12のテーマで語られているトピックから進化し、生まれてくるのではないだろうか。

ケヴィン氏は本書の中で「最高に格好いいものはまだ発明されていない」と述べている。本書は、その“最高に格好いいもの”を発明するための基礎作りにもなるだろう。プラットフォームが揃い、誰もが同じスタートラインに立っている現在。をヒントに、“インターネットの次に来るもの”を創り出すイノベーターが誕生することを期待したい。