モバイルワーク導入のカルビーに聞く、多様化する働き方

業績は右肩あがり。新体制で挑む「働き方改革」とは

Kayo Majima (Seidansha)/2017.5.17

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通勤時間の節約や集中力アップなど利用社員にはメリット、管理職の不安は?

「1つ目のメリットは、通勤時間の節約になること。従業員の中には、通勤に往復で3時間かかる社員もいるので、出社する必要がなければ、そのぶん業務やプライベートな時間にあてることができます。また、自分だけで仕事をしていると外的要因が少なく、予定通りに業務が終わるという声もあるんです」

毎朝満員電車に揺られるビジネスマンにとって、通勤を避け好きな場所で仕事ができるモバイルワークは、夢のような制度かもしれない。

また、カルビーは、女性が働き続けるための環境整備や女性管理職の割合を増やすなど、積極的に女性活用を進めている。モバイルワークには、彼女たちにとっても多くのメリットがある、と、江木氏。

「子育て中の女性社員には、学校の授業参観や送迎など子どもに関わる用事がたくさんあります。弊社の制度ならば“半日モバイルワーク”もできるので、午前中は在宅勤務をして、午後は子どもの学校行事にあてられるなど、とても好評ですね」

制度の導入から1ヵ月が経ったが、現状ではモバイルワークのデメリットは感じていないとのこと。その一方で、制度導入の際には部下の仕事ぶりを確認できないなど、管理職側の不安の声はなかったのだろうか?

「弊社では2010年からフリーアドレス制度を導入しています。本社ではダーツシステムで自動的に座席を決めるため、固定のデスクはありません。部下の姿が見えないのは日常茶飯事なので、オフィスにいても在宅勤務でもそれほど違いはないんです」

カルビーのオフィス内観

フリーアドレス制度を皮切りに、2014年4月から週に2日を上限にした在宅勤務を実施。そののち、今回のモバイルワーク導入に至った。フリーアドレスから段階を踏んでの改革だったため、従業員のモバイルワークへの理解も早かったという。

「もちろん、モバイルワークに関する社内Q&Aを作成し、利用者に共有しています。そのほかセキュリティ面では、自社でも情報管理を徹底し、一部をアウトソーシングしています。ただ、セキュリティ面での課題を挙げるとすれば、自宅以外での作業中にディスプレイを覗き見されないよう注意し、トイレに立ったときにPCを持ち歩くなどの対応を心がけるなど、今後も啓発していく必要がありますね」

モバイルワークならではの課題はあるものの、従業員の人事面談をおこない改善点や社員のニーズに耳を傾けていく予定だ。