PC、タブレット、スマホの出荷、いずれも減少へ

 米調査会社のIDCは、22年のパソコン世界出荷台数が前年比8.2%減少し、3億2120万台にとどまると予測している。タブレット端末も振るわず、世界出荷台数は同6.2%減の1億5800万台になるとみている。

 また、22年の世界スマホ出荷台数は前年比3.5%減の13億1000万台となり、2年ぶりに減少する見通し。ウエアラブル機器の22年1~3月の出荷台数は1億530万台で、前年同期から3.0%減少した。IDC社が統計を取り始めて以来初めて減少に転じた。

 これら電子機器の出荷減少の要因には、インフレによる需要の落ち込みだけでなく、中国のロックダウン(都市封鎖)がもたらしたサプライチェーン(供給網)の制約や、ロシアのウクライナ侵攻を受けた西側諸国による制裁の影響もあるという。

需要低迷も半導体不足は解消されず

 半導体市場は需要低迷の兆しが見られるものの、今の品薄状態がすぐにも緩和されるわけではないと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

 米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のリサ・スーCEOは、「データセンターで使われる高性能サーバーコンピューター向け半導体に対する需要は依然として高く、パソコン低迷の影響を和らげている」と話した。

 自動車メーカーなどの間でこの2年間、争奪戦の中心となっている旧世代半導体も依然不足状態が続く可能性があるという。半導体メーカーの幹部らによると、数多くの半導体を必要とする電気自動車(EV)への移行など、エレクトロニクス業界の長期的な変化の動きが、その理由の1つだという。

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