写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
5Gをめぐる期待と失速、通信規格の進化による新規ビジネスの台頭、異業種の参入など、通信業界は今、前提そのものが書き換わる大転換期にある。大手の優位はなぜ揺らぎ、新興勢力はどこに勝機を見いだすのか。政策・技術・経営戦略を横断し、日本の通信市場の構造と未来像を読み解く『通信ビジネス』(石野純也著/クロスメディア・パブリッシング)から内容の一部を抜粋。
5Gは思うように普及せず、「期待先行」とも評された。では6Gは何が違うのか。ドコモが打ち出す「人間拡張基盤」の構想から、通信ビジネスの未来を考察する。
言語的コミュニケーションを超える6Gの世界
『通信ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
振り返ってみると、5Gでは、データ通信が高速になり、リアルタイムで4Kなどの高解像度な映像が伝送できるようになりました。
6Gでは、それ以上の高速化や低遅延化を実現しようとしています。たとえば、VR(仮想現実)は立体的に映像を作る必要があるため、データ量は平面の動画に比べて膨大になります。こうしたコンテンツが一般的になってくると、今の5Gではネットワークの容量が不足することになります。
また、最近ではメガネ型のデバイスで現実の風景に情報を重ねて表示するAR(拡張現実)も徐々に出始めています。VRほど高精細な映像は必要ないものの、遅延が大きいと、素早く情報を重ねるのが難しくなるため、6Gによる解決が期待されています。
そして、遅延を減らすことによって、人の感覚を伝達できるようになるのではないか…。6Gでは、このようなユースケースも模索されています。
ドコモは、6Gのユースケースをまとめたホワイトペーパーで、「人間拡張基盤」というコンセプトを提案。「FEEL TECH」と呼ばれる技術の研究や開発を進めています。






