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「失われた30年」と言われる日本経済。しかし、逆境下でも成長し続ける企業がある。彼らはなぜ躍進を続けるのか。停滞する企業との決定的な違いは何か。184社の日本企業の業績を基に、強い企業の共通点を導き出した『高成長体質になる』(日経BP)から一部を抜粋。ベイカレント常務執行役員の則武譲二氏がキーパーソンへのインタビューを通じ、高い成長率を誇る企業が備える「組織能力」を解き明かす。

 変化を常態化させるため、組織は何を捨て、何を選ぶのか。全社改革PX(パナソニックトランスフォーメーション)を率いてきたパナソニックホールディングス副社長執行役員・玉置肇氏の言葉から、変わり続ける組織の条件を探る。

パナソニックホールディングス
グループ経営改革の真意は何か
「日に新た」を継承し、変化の常態化へ

高成長体質になる』(日経BP)
パナソニック ホールディングス
代表取締役 副社長執行役員
グループCIO グループCTRO
玉置肇氏

1993年現P&Gジャパン入社。ファーストリテイリングのグループ執行役員CIO、アクサ生命保険の執行役員チーフソリューションズオフィサーを経て、2021年にパナソニックホールディングス入社。副社長としてグループCIO、グループCTRO(Chief Transformation Officer)を務める。2025年代表取締役。パナソニックオペレーショナルエクセレンス代表取締役社長執行役員CEOも兼務する。

――「強い事業の集積化」はどう進めますか。

玉置 パナソニックは創業以来、「くらし」と「しごと」で役に立つものを一貫して提供してきました。消費者や工場で働く人々、それを支える企業の近いところで商売をする会社です。「パナソニックは何をしている会社か分からない」とも言われますが、「くらし」「しごと」の領域で、強い事業や製品がラインアップされていれば、どういう会社か伝わるはずです。

 私は以前、ファーストリテイリングの柳井(正・会長兼社長)さんの下で働いたことがあります。ファーストリテイリングは、1つの強い領域で事業を展開する企業です。例えるなら、堅牢な巨大戦艦。それに対して、パナソニックグループはマザー空港と飛行機の関係性と言えると思います。

 事業会社の多様で強力な個々の事業が、世界各国の航空会社の飛行機のように独立して展開されながらも、必要に応じて資金やインフラといった基盤をマザー空港であるパナソニック ホールディングスやパナソニック オペレーショナルエクセレンスが支える。この構造こそが、パナソニックグループです。この構造が成り立つのは、経営理念が全社共通のよりどころになっているからです。