まいばすけっと店舗(筆者撮影、以下同)
イオングループの都市型小型スーパー「まいばすけっと」が、出店拡大に弾みを付けている。2026年度からは年間200店舗増を掲げ、節約志向の高まりを背景に、近さと手頃さを武器に存在感を強める。プライベートブランド(PB)の拡充、人材確保、商勢圏の維持など、成長を持続させる条件は何か。急拡大の裏にある戦略と課題を、流通ジャーナリストの梅澤聡氏が論じる。
年間200店舗以上の出店計画を発表
数年前までイオングループの決算会見において、名前すら出たことのなかった「まいばすけっと」。しかし今やイオンの吉田昭夫社長が説明に時間を割き、アナリストや記者からも質問が飛ぶ、チェーンストアの有望株として注目を集めている。まいばすけっとの価値はどこにあるのか。併せて今後の勝負どころを5つに絞って解説する。
まいばすけっとの出店が加速している。2025年2月末で1204店舗、対前期で85店舗増。半年後の同年8月末で1262店舗、58店舗増だから今期は100店舗増が見込まれる。イオングループのみならず、日本の小売業においても、出店が「加速」しているチェーンは数少ない。2025年10月14日に行われた2025年度中間期の決算会見で吉田氏は次のように期待を込めた。
「戦略的に強化しているまいばすけっと。節約志向の高まりにより、コンビニやスーパーマーケットの客数が伸び悩む中、立地の便利さと相対的な安さ、それが強みとなってシェアを拡大している。全ての段階利益において増収増益を確保して、安定的な利益を生み出す業態となった。
コンビニとの価格優位性を生かしたおにぎりやパン、総菜などの強化によって、日販(1店舗当たり売上高)が非常に上昇してきた。店舗開発組織を非常に強化しているところで、2026年度からは年間200店舗以上の出店を目指して拡大を図っていく」






