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建設廃棄物の再資源化と事業のDX化を進めている石坂産業。埼玉県三芳町を拠点に、分離・分級工程への設備投資やメンテナンスの内製化により、リサイクル率98%を達成した。2024年8月期の売上高は67億円に達し、産廃処理業の成長モデルを築きつつある。「ごみを資源に変える」循環型社会の実現をどう進めているのか?
後を絶たない不法投棄問題
日本が直面する近年の社会問題は、多岐にわたる。少子高齢化や地方の過疎化、環境問題、社会格差など枚挙にいとまはないが、環境問題の中でも、特に産業廃棄物の不法投棄は、地域の環境汚染を招くとして、深刻な社会問題となっている。
産業廃棄物処理業界(産廃業界)において、こうした不法投棄が後を絶たず、2025年7月にも、京都府の伏見区で、木くずやがれきなどの産業廃棄物44トンを不法投棄したとして、建設工事業者と建設解体業者の社長が逮捕されている。
不法投棄が後を絶たないのは、経済活動により莫大な量の産業廃棄物が恒常的に生まれ投棄されるからである。産業環境管理協会の調べでは、日本の産業廃棄物の年間の排出量は、近年、3億7000万~4億トン前後で推移しており、大きな増減は見られない。
事業者数も大幅な伸びには至っていない。2017年5月に環境省が発表した「産業廃棄物処理業の振興方策に関する提言」によると、2015年4月時点で産業廃棄物処理(産廃処理)業の許可業者は約11万者、そのうち主業(産廃処理業の売上高割合が50%以上)として活動している事業者は約1万2000者(全体の約11%)となっている。
産廃処理事業者業が増えにくく主業として成り立ちにくいのは、その背景に、初期投資や運用コストの高さ、規制や社会的責任の重さ、人材や地理的な制約、さらには市場の収益性の低さなどの要因が存在し、それらが複合的に絡み合っているからである。






