村上隆のスタジオも誘致。アートの創造、発信拠点に名乗り
『パッチギ!』の街に、チームラボと芝生のカフェ。少し前まで想像もできなかった光景だ。イメージのギャップにクラクラ来るが、デカいアートの話題はまだ続く。
同エリアに、アーティストの村上隆の制作会社「カイカイキキ」のスタジオが2026年度に建設されることが発表された。約1572m2が京都市から3億630万円で売却された。総工費は約12億円。村上のスタジオは50人ものスタッフを雇用する大所帯で、市は、市内芸術系大学の学生の雇用機会の創出も期待している。
京都市京セラ美術館での個展「村上隆 もののけ京都」(2024)は45万人を動員した
「村上隆 もののけ京都」会期中、京都市京セラ美術館の庭に設置された「お花の親子」
京都は、実はアート新興都市。若者に「アートのお仕事」支援イベントも
意外なようだが、京都はアート新興都市だ。芸術系の大学は多いのに、年間約2000人の卒業生の多くは京都から出ていってしまう。「アートのお仕事」が乏しすぎるのだ。そんな中で京都市は京都駅東南部エリアを「若者とアートの力」で振興しようとしている。今年、エリアを回遊するアートイベント「Lightseeing Kyoto South」を地元の若手キュレーターの企画から採択した。「卒業されてからも京都で頑張っているクリエイターにエールを送る意味もあります」(渡邊さん)。
京都駅の東南部をアート鑑賞で周遊できる「Lightseeing Kyoto South」は、市営住宅の空き店舗などが会場。界隈はゲストハウスが進出し観光客の姿が目立つ。11月16日までhttps://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000344012.html
市は中心部でも、アート周遊イベント「Art Rhizome KYOTO」を主催している。こちらは元お茶屋の施設、カフェ、ホテル、京都市役所新庁舎など、観光客でも気軽に立ち寄れる場所での展示。4人の合同キュレーターの一人、金澤韻さんは「マイクロバジェット(低予算)ですが、続けることで定着させてゆきたい」と言う。アートのお仕事を持続させてゆくのは大変そうだ。
街なか10か所で開催されている「Art Rhizome KYOTO」は、制約が多い中、場所と作品を厳選。会場の一つ、宮川町の元お茶屋、サイツキョウト
サイツキョウトでは彌永ゆり子のレトロなデジタル作品が展示された。2025年11月18日までhttps://artrhizome.kyoto/kw25_about
