スーっと滑らか

 日産は新型リーフの開発にあたり「スーっと滑らか」をコンセプトに掲げたそうです。パワフルでありながら、静かでスムーズな加速感はまさしくコンセプト通りで、これはアリアと同じEV専用のプラットフォームやモーターを含む新世代のパワートレインの成果とも言えるでしょう。

加速感は極めて滑らかで、振動も少なく動的質感が高い。218ps/355Nmのパワースペック以上の力強い加速が体感できる。回生ブレーキによる減速の違和感もほとんどない

 「スーっと滑らか」なのは加速感だけでなく、ハンドリングも同様です。ステアリングの操作に対してクルマがスムーズに向きを変えるので、直線で加速しているときも、コーナーで旋回しているときも気持ちのよい走りを体感することができました。

フェアレディZやGT-Rといったスポーツカーを長年手掛けてきた日産らしく、リーフはハンドリングにも優れている。旋回時の挙動がスムーズなので、ステアリングを切ることがまったく負担にならない

 静粛性も高く、室内では基本的に快適に過ごすことができるものの、低速域での少し粗野な乗り心地が個人的には気になりました。

 新型リーフには2種類のグレードが用意されていて、“B7 X”が518万8700円、“B7 G”が599万9400円というプライスタグが掲げられています。自動車の価格は軒並み上昇傾向にありますが、約600万円となると高級車の領域です。いっぽうで、来年には小型バッテリー(55kWh)を搭載した廉価モデルも追加されるそうで、そちらは500万円を切る可能性が高いです。EVを身近な存在にしてくれたリーフの価格としては、それくらいが適正かもしれません。