写真提供:コープさっぽろ
IT化やDXでの遅れが指摘される日本の大企業。その現状に一石を投じるのが、プロCIO(最高情報責任者)として知られ、現在はコープさっぽろでDXに取り組む長谷川秀樹氏だ。長谷川氏はコープさっぽろでどのようなIT環境を整えようとしているのか。施策と成果とは?
「武闘派CIO」を自任するフジテックCIO/CDOの友岡賢二氏が長谷川氏を迎え、「コンシューマーテクノロジーシフト」と「ITの民主化」という2つの論点から、成果を上げる情報システム部門の在り方について語り合った。
コンシューマーテクノロジーへのシフトは不可逆
友岡賢二氏(以下、敬称略) 長谷川さんは2015年にAWS Samurai*に選出された、日本を代表するプロCIO(最高情報責任者)のお一人で、現在はコープさっぽろのCIOを務めていらっしゃいます。今日は「コンシューマーテクノロジーへのシフト」と「ITの民主化」という2つの論点から、コープさっぽろでの取り組みを伺いたいと思います。まず、どのようなDXの方針を掲げているのですか。
*アマゾンが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」コミュニティーに大きく貢献した日本国内の個人やグループを表彰する制度
長谷川秀樹氏(以下、敬称略) ミッションは2つあります。1つは組合員に素晴らしいサービスを提供すること。組合員の半数が60歳以上であるため、OCR(光学式文字読み取り装置)注文のようなアナログも残しつつ、デジタル化を進めています。もう1つは、従業員が気持ちよく働けるIT環境を整えることです。
その実現のため、スマートフォンやインターネットサービスといった身近な消費者向けの技術(いわゆるコンシューマーテクノロジー)に加え、特定メーカーに依存しない国際標準のオープンテクノロジー、さらにクラウドを活用しています。
システムはSaaS(Software as a Service)の利用を最優先し、適切なSaaSがなければPaaS(Platform as a Service)でノンプログラミング開発を行い、それでも要件を満たせない場合のみ、ゼロから独自にシステムを作るフルスクラッチ開発を行います。







