出所:shutterstock
優れた人材の確保、活用がますます企業の競争力を左右する時代になってきた。それに伴い、人事領域をつかさどる人間が経営に参画することの必要性が高まっている。人事戦略と経営戦略はどのようにリンクさせ一体化させるべきなのか? ヤフーで人事部門のトップを務め、現在は企業の人材育成や1on1 ミーティングの導入指導に携わるパーソル総合研究所取締役会長の本間浩輔氏が、「経営人事」を深掘りしていく。
今回のテーマは日本型人事システムと欧米型人事システムの違いと、LINEヤフーの統合プロセスで直面した課題について。同じ欧米型人事システムに分類されるLINEとヤフーだが、実際に統合作業を進めてみると、その中身は大きく異なっていた。いったい何が違ったのだろうか。
日本企業に見られる3つの人事システム
皆さん、こんにちは。本間浩輔です。この連載では、「経営人事の仕事論」というテーマで「経営人事」について深掘りしていますので、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回はLINEヤフーの人事総務統括本部ピープル&カルチャーデベロップメント本部の本部長を務める中村有沙さん(肩書きは2025年3月当時)が語るPMI(Post Merger Integration)の最終回です。PMIとはM&A後の統合プロセスを意味します。彼女には僕が講師を務める慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)の講座「経営人事の仕事論」でお話しいただきました。
前回の記事では、PMIによって人と組織に起きる問題について、米国の研究者のフレームワークを軸に深掘りしました。今回は、旧来の日本型人事システムと欧米型人事システムを比較しつつ、ヤフーとLINEのそれぞれの違い、そして企業統合の際の最適な進め方や考え方について見ていこうと思います。
中村さんによれば、日本企業の人事システムには、旧来の日本型人事システムと欧米型人事システム、その中間に位置するハイブリッド型人事システムの主に3パターンがあると考えられています(※)。
※出所:上林憲雄・平野光俊「日本の人事システム その伝統と革新」






