
売れ筋は最上位グレード
INSTERには3つのグレードが用意されています。廉価版の“カジュアル”は284万9000円、中間グレードの“ヴォヤージュ”は335万5000円、そして上級の“ラウンジ”が357万5000円。駆動用バッテリーの容量はカジュアルが42kWh、ヴォヤージュとラウンジが49kWhで、航続距離は後者で最大458km(WLTP)と公表されています。300万円以下という価格設定はかなり挑戦的ですが、実際には「お客様の約70%がラウンジを選んでいる」そうです。
駐車場内を動いている時から薄々気が付いていたのですが、公道で出てもやはりそのコンパクトなボディサイズと取り回しのよさに溜飲が下がります。近頃のクルマはどれもこれも大きくなってしまい、軽自動車を除く乗用車の5ナンバーが占める割合は約30%にまで落ち込んでいます。5ナンバーは日本独自の規定とはいえ、日本の交通環境にはいまでも5ナンバーが最適であることを思い知らされました。

操縦性や乗り心地などに違和感を感じる部分はほとんどありません。実はヒョンデは日本仕様として専用の作り込みを行ったそうです。例えば、ダンパーを含むサスペンションのセッティングには30種類あって、その中から日本の道路に最適なものを走り込んで決めたとのこと。パワーステアリングも、駐車時にステアリングをたくさん切る機会の多い日本の事情に合わせてアシスト量を増やし、軽く回せるようにしているそうです。

デザインは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、トヨタとフルクスワーゲンに次ぐ世界第3位の販売台数を誇る自動車メーカーが手掛けたプロダクトらしく、INSTERはクルマの基本性能がしっかり担保されたコンパクトBEVと言えるでしょう。韓国料理もK-POPも韓流ドラマも大好きな日本人でも、一部では韓国車に関していまだに距離を置いてしまう心情は理解できます。いっぽうで、こういうクルマを求めていた方が少なからずいらっしゃるのも事実で、選択肢が増えるという観点では歓迎すべきことだと思っています。

全長×全幅×全高:3,830×1,610×1,615mm
ホイールベース:2,580mm
室内長:1,920mm
最低地上高:145mm
最高出力:
Casual 97PS(71kW)/ 4,800-13,000rpm
Voyage & Louge 115PS(85kW)/5,600-13,000rpm
最大トルク:
Casual 147Nm/ 0-4,600rpm
Voyage & Louge 147Nm/0-5,400rpm
駆動用バッテリー容量:
Casual 42kWh
Voyage & Louge 49kWh
トランスミッション:1段
駆動方式:前輪駆動
車両重量:Casual 1,300kg、Voyage 1,360kg、Louge 1,400kg
タイヤ:Casual 185/65 R15、Voyage 185/65 R15、Lounge 205/45 R17
定員:4名
車両価格:
Casual 2,849,000円、Voyage 3,355,000円、Lounge 3,575,000円