電光石火のGTI

 続いてスポーティモデルのGTIにも試乗したが、こちらはいままでのGTIとは比べものにならないくらい快適性を高めていたのが印象的。

シートはもちろん、チェック柄

 もちろん、サスペンションの設定自体は1.5eTSIよりもソリッドで、よりダイレクトなハンドリングが楽しめる。265ps/370Nmを生み出す2.0リッター・ガソリンエンジンはただパワフルなだけでなく、スーパーカー並みの7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション。1.5eTSIも同様)と組み合わされることで電光石火の加速を体験できる。これだけレスポンスの鋭いパワートレインは、同クラスではホンダ・シビック・タイプRくらいしか思いつかないが、シャシーの洗練度という意味ではゴルフGTIに軍配が上がるような気がする。

フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
価格は5,498,000円。試乗車にはDiscoverパッケージ(176,000円)、DCCパッケージ(231,000円)、テクノロジーパッケージ(209,000円)のオプション付き。ボディカラーはキングズレッドメタリックで44,000円のオプションカラーだ

 しっとりとして快適な乗り心地なのに、いざというときにはボディーをしっかりと支え、さらには意のままに操れるハンドリングも同時に実現したゴルフ8.5。こうした理想は、昨秋フォルクスワーゲンのプルービンググラウンドでフローリアンから聞いた言葉そのままといっていい。

 日本でゴルフ8.5のステアリングを握りながら、私は遠くドイツで新しいフォルクスワーゲンの開発に勤しむフローリアンの後姿を見たような気がした。