フォルクスワーゲンジャパンは7月3日、フルモデルチェンジを受けた新型「ティグアン」「パサート」、マイナーチェンジした新型「T-クロス」「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」の5モデルを同時に発表。ゴルフ ヴァリアント以外の4モデルをお披露目した。
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電動化と内燃機関の双方を強化するフォルクスワーゲンの戦略
フォルクスワーゲンは、2050年までの脱炭素化社会実現に向けて、電動化戦略を積極的に推進。2021年に発売したフル電動SUV「ID.4」につづき、25年にはID.シリーズ第2弾であり、「ワーゲンバス」の再来ともいわれる「ID. Buzz」の導入を予定している。
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一方で、同社は多様な顧客のニーズに応えるべくエンジン搭載モデルの開発も継続。いわゆる「2ピラーストラテジー(2本柱戦略)」を推し進めている。今回発表された新型モデルは、環境性能を高めつつ、魅力的なエンジン車のラインナップを強化する狙いがあるという。
これら新型モデル攻勢には、主に2つの眼目がある。1つは「成長を続けるコンパクト・スモールサイズSUV市場の基盤強化」だ。世界的なSUV市場の拡大に伴い、フォルクスワーゲンはこのセグメントでの競争力を高めることを目指している。
2つ目は「ブランドのアイコンモデルの活性化」。ゴルフ、パサートというフォルクスワーゲンの象徴的なモデルをアップデートすることで、ブランドの魅力をさらに高めることを狙っているのだ。
では、今回発表された5つの新型モデルについて、日本に導入される順番に見ていこう。
新型「T-クロス」
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ボディカラーはグレープイエロー
2019年の欧州デビューからわずか5年で全世界累計販売台数が120万台を越え、日本でも道路事情に適したコンパクトなボディサイズや充実した安全装備などが評価され、2020年の日本導入以来、3年連続で輸入SUV登録台数ナンバー1を獲得してきた「T-クロス」がマイナーチェンジを受けた。
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エクステリアでは、灯火類やバンパーのデザインを中心にデザインを刷新。また、ボディカラーについては新色となるグレープイエロー、クリアブルーメタリック、キングズレッドメタリックを含めた全8色をラインアップした。
インテリアはダッシュパッドにソフト素材を採用するなど質感を向上。ヘッドフォンでおなじみの北米のオーディオ機器ブランド「beats」のプレミアムサウンドシステムやフロントシートヒーターも新たに採用された。
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先進運転支援システムも強化され、全グレードに同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」を標準装備。さらに、同車初となるLEDマトリックスヘッドライト「Q.LIGHT」も搭載され、夜間走行の安全性が大幅に向上している。
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価格は329万9000円から389万5000円で、7月6日より予約注文受付を開始。デリバリーは9月下旬以降を予定している。
新型「ティグアン」
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2007年の初代モデル登場以来、世界中で760万台以上が販売され、2019年以降はフォルクスワーゲンの最量販モデルであり続けているグローバルベストセラーSUV「ティグアン」が、7年ぶりのフルモデルチェンジを受けた。
3世代目となる新型は、従来モデルが採用していたMQBアーキテクチャーの進化版「MQB evo」にプラットフォームを刷新。これにより、上級セグメントの先端技術を数多く採用することが可能になったという。たとえば、アダプティブシャシーコントロール「DCC」は2バルブ独立制御式の「DDC Pro」へと進化。従来の機構では不可能だった複雑な制御が可能となり、ダイナミックな走行と快適な乗り心地を高いレベルで両立したとしている。
エクステリアでは、ボンネットの位置を従来型より高くすることでSUVらしい力強さを強調するとともに、cd値が0.33から0.28へと改善されるなど空力性能の向上も図られた。
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パワートレインは、ティグアンでは初となる48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したガソリンエンジンモデルを設定。また、日本市場で人気の高いクリーンディーゼルエンジンもラインアップされる。前者の1.5リッター「eTSI」ガソリンターボエンジンは最高出力150PS、最大トルク250Nmを発生。アクティブシリンダーマネジメント機構(ACT)を強化し、4気筒のうち2気筒をより頻繁に停止させることで、燃費性能の向上を図ったという。また後者の2リッターTDIターボディーゼルエンジンは193PSの最高出力と400Nmの最大トルクを発揮。フルタイム4WDシステム「4MOTION」と組み合わせることで力強い走りを実現している。
高度な運転支援システムや、より快適になった室内空間など、細部にまでこだわって開発したと謳われる新型ティグアンは、9月より予約注文受付を開始し、11月以降の出荷開始を予定。価格は未定とのこと。
※大谷達也氏による試乗記はこちら
新型「パサート」
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1973年のデビュー以来50年以上の歴史を誇り、累計販売台数がベストセラー「ビートル」を上回る3400万台以上を記録するなど、もっとも成功したフォルクスワーゲンの1台と謳われるパサートが9年ぶりにフルモデルチェンジを受けた。
9世代目となる新型は、主要マーケットであるヨーロッパ市場のトレンドに合わせワゴンボディ専用モデルとなった。また、ティグアンと同じく、最新のMQB evoアーキテクチャーを採用することで、多くの最先端技術を採用することが可能に。ダブティブシャシーコントロールを従来の「DCC」から「DCC Pro」へ刷新することで、優れたハンドリングと快適な乗り心地を両立さたのもティグアンと同様だ。
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パワートレーンは1.5リッター「eTSI」のマイルドハイブリッドシステム(FF)と、2.0リッター「TDI」クリーンディーゼルエンジン+フルタイム4WDシステム「4MOTION」を設定。さらに、従来型からEV走行レンジを延伸させたPHEVの「eハイブリッド」もラインアップされる。「eハイブリッド」はシステム総合で150kWの最高出力と350Nmの最大トルクを発生。19.7kWhのリチウムイオンバッテリーにより120㎞(WLTC欧州計測値)を超えるEV走行を実現している。
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ボディサイズは拡大され、全長はひとクラス上のセグメントに相当する4.9メートルオーバーに。ホイールベースも50ミリ延長されたことで、特にリアシートの居住性が向上。さらに、セグメントトップクラスの荷室容量を確保し、多様なライフスタイルに対応できる実用性を手に入れたと謳われる。
フォルクスワーゲンが、ファミリーのみならずビジネスユースのマーケットにもアプローチしていきたいという新型パサート。9月より予約注文受付を開始、11月以降の導入を予定しており、価格は未定とのこと。
※大谷達也氏による試乗記はこちら
新型「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」
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フォルクスワーゲン ブランドを象徴するピープルズカーであり、1974年のデビュー以来、実用ハッチバックのベンチマークとして進化しつづけてきた「ゴルフ」。世界累計台数は3700万台、日本でも100万台以上が販売されてきた大ベストセーラーモデルだ。「電動化」「デジタル化」「運転支援機能の強化」をテーマに開発され、2021年に日本に導入された8世代目モデルが、このたび初となるマイナーチェンジを受けた。
今回の進化で注目すべきは、最新のインフォテイメントシステム「MIB4」の採用だ。インストルメントパネルのセンタークラスターには新たに12.9インチの大型タッチディスプレイを搭載。また、IDA(アイダ)ボイスアシスタントと呼ばれる音声による機能操作が備えられたことで、エアコンやインフォテイメントなど多くの車両機能を音声でコントロールできるようになったという。
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内外装のデザインもブラッシュアップされ、エクステリアではフロントにイルミネーション付き「VW」エンブレムが日本導入モデルとして初めて採用された。
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イルミネーション付きエンブレム イメージ
パワートレインは、環境性能と走りの楽しさを両立する1.5リッター「eTSI」エンジン(116PS/150PS)、低燃費と力強さを誇る2.0リッター「 TDI」エンジン(150PS)、そしてホットハッチの代名詞「GTI」用の2.0 「TSI」エンジン(265PS)と、多彩なラインナップを誇る。
新型ゴルフおよびゴルフ ヴァリアントは9月より予約注文受付を開始。導入は2025年1月以降を予定しており、価格は未定。