5区は区間新記録バトルの予感
今回は5区に好選手が多く、「山の神」が誕生するかもしれない。その筆頭候補は、前回大会で1時間10分04秒の区間新記録を樹立して、「山の妖精」と呼ばれた城西大・山本唯翔(4年)だ。今季は夏のワールドユニバーシティゲームズ10000mで銅メダルを獲得。出雲と全日本は最終区間で活躍した。今回はどこまで区間記録を短縮するのか。
それから前々回大会で東海大の5区を務めて1時間10分44秒(区間2位)で走破した創価大・吉田響(3年)にも注目したい。出雲駅伝は5区で区間記録に2秒差と迫る好タイムで区間賞。全日本大学駅伝は5区で区間記録を29秒も更新すると、区間2位に38秒差をつけた。平地でも強さを見せつけているが、上りはさらに強い。本人は「できれば1時間08分45秒ぐらいは出したい」と気合十分だ。
5区の〝コースレコード〟は現在とほぼ同じ距離を走った順大・今井正人(現・トヨタ自動車九州)の1時間09分12秒。この記録を越えられれば、「山の神」と呼ばれることになるだろう。
王者・駒大は前回5区を1時間10分45秒(区間4位)で駆け上がった山川拓馬(2年)の出走が濃厚。「最低でも1時間10分切りを目標にしたい」と区間新記録を目指している。
青学大は原晋監督が「1時間10分前後」を想定しており、今回は前々回大会で1時間10分46秒(区間3位)で走破した若林宏樹(3年)が登録された。國學院大・前田康弘監督は「1時間11分切り」、中大・藤原正和駅伝監督は「1時間11分前後」を計算している。上位校候補は5区に自信を持っており、山での〝大逆転〟があるかもしれない。