シード校をめぐる激闘
近年、復路はトップチームが独走するようなかたちが続いているが、シード権争いは混戦を極めている。順当なら駒大、中大、青学大、國學院大、創価大、城西大の6校は上位争いを展開するはず。その後のチームはわずかなミスでシード権争いの渦に巻き込まれていくことになるだろう。
前回5位の順大は出雲10位、全日本11位と今季は大苦戦。箱根はエース三浦龍司(4年)を1区、3年連続で4区を担った石井一希(4年)を5区に登録した。前回6位の早大は2区に山口智規(2年)、5区に工藤慎作(1年)を入れた一方で、前回2区10位の石塚陽士(3年)と同5区6位の伊藤大志(3年)は補欠登録。前回7位の法大も6区を2年連続で好走している武田和馬(3年)と前回8区区間賞の宗像直輝(4年)を補欠登録している。それぞれ上位を狙う戦略がありそうだ。
予選会校では全日本大学駅伝で7位に食い込み、18年ぶりのシード権をつかんだ大東大の戦力が充実している。帝京大も全日本大学駅伝は12位に沈んだが、4区西脇翔太(4年)が脱水症状に苦しんだのが原因だった。全日本は3区終了時で5位につけており、両校ともシード権争いに絡んでくるだろう。
シード校で崖っぷちにいるのが東洋大だ。全日本大学駅伝は過去ワーストの14位で、前回2区を務めた石田洸介(3年)がエントリーから外れている。今季はエース松山和希(4年)が復帰するも、1・2年時に快走した2区には梅崎連(3年)が入った。補欠登録の松山が入る区間で順位を押し上げて、なんとしても19年連続シードを死守したい。
その他の有力選手では東海大のエース石原翔太郎(4年)が7区に登録。箱根予選会で日本人トップに輝き、全日本大学駅伝2区を区間新(区間3位)で快走した東農大・前田和摩(1年)は補欠登録だった。2区には前々回、関東学生連合で同区間を経験している並木寧音(4年)が入っており、スーパールーキーは何区に登場するのか。
全10区間、217.1㎞の道のりには様々なドラマが待っている。