ひらま写真館が東京にて復活!

「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」展示風景

 展覧会の最終章では、「平間写真館TOKYO」が制作した作品を紹介。これがまた、おもしろい。平間至は宮城県塩竃市の出身で、1926年に祖父が創業した「ひらま写真館」の家に生まれた。「高校時代から撮影のアルバイトに励んでいた」と言う平間にとって、「ひらま写真館」は創作活動の原点といえる場。だが、写真館は2003年に、二代目である父・新の年齢を考えて休業してしまう。

 一度は途絶えた写真館の歴史を、平間至は再び刻み始めた。2015年、東京・三宿に「平間写真館TOKYO」を開業。従来の“写真館の写真”のイメージとはかけ離れた、生き生きとした記念写真を制作している。その記念写真の数々が、なんともハッピー。一般の家族やカップルが、なんでこんな素敵な表情を浮かべられるのか。被写体の生命感を引き出すことにおいて、平間至は本当に天才なんだなと感じてしまう。

 30年以上のキャリアを誇り、今も人気アーティストを撮り続ける平間至。写真館のお客さんから「一般の方も撮るんですか?」と聞かれることが多いとか。平間至は「あなたたちを撮るために始めたんです」と答えるという。