XVからの進化はボディにあり！新型 スバル クロストレックに試乗｜インプレッサ プロトタイプにも試乗

新型インプレッサのプロトタイプにも試乗

　今回はクロストレックの量産モデルに公道で試乗するとともに、新型インプレッサのプロトタイプにサーキットで試乗したが、上記の点は2台に共通した特徴といえる。つまり、変な硬さや微振動を感じさせないので足回りの動きがしなやかに感じられて快適。いいかえれば、クルマの基本特性として乗員に不快を感じさせにくい条件が整っているので、サスペンションの特性をほんの少し硬めの方向に振っても「乗り心地が悪い」と思わせることがなく、硬めのサスペンションによる良好な操縦性だけが手に入ったのである。

　同様にして、剛性が高くて振動減衰特性が優れたボディは走行時のロードノイズ（「ゴーッ」と響く騒音のこと）低減にも役立ち、静粛性の面でも快適性が向上した。

視界の広がった「アイサイト」

　新型インプレッサとクロストレックは、視野角を広げた新型アイサイトを採用。これまでのように前方だけでなく、斜め前方の様子も把握することにより、より幅広い種類の事故に対しても安全性を高めることができたという。

　というわけで相変わらずスバルの良心が滲み出ているような仕上がりなのだが、スタイリングに関しては、以前のインプレッサに比べてデコレーションが少なくなった分、個人的な好感度は高まったものの、プロポーションなどの部分でまだ改良の余地が残っているような気がする。

　もっとも、これはあくまでも好みの問題。むしろ、ちょっと無骨さが残っているくらいのほうが、スバルらしい「質実剛健さ」が感じられて好ましいという捉え方もできなくはない。いずれにせよ、新型インプレッサとクロストレックはスバルらしい誠実さが感じられるコンパクトカーとしてお勧めしたい。