新たな指導者との出会い
ノービス時代には全日本ノービス選手権のノービスBで優勝し注目を集めたが、その後は苦しい時間が続いた。ノービスAになってからはと、全日本ノービス選手権、推薦で全日本ジュニア選手権に出場するなどしたがもう1つ殻を破るまでに至らなかった。2016-2017シーズンには開幕を前に、膝の軟骨剥離を発症し手術せざるを得なくなった。その後、中学校を転校し、カナダに渡る。
中学3年生になった2017-2018シーズン、全日本ジュニア選手権で5位になると全日本選手権にも初めて出場。少しずつ前へ進んできたが、コロナ禍にあって帰国をよぎなくされた。
落ち着かない環境が続く中、出会ったのが中庭健介コーチだった。新たな指導者と競技環境はむろん大きかっただろう。それとともに、苦しい時間を過ごしつつ、懸命に模索し進もうとしてきた年月があって開花の兆しを見せたのが昨シーズンであり、今シーズンの飛躍だった。
2月には四大陸選手権に出場。開催地は標高1800mの高地にあるアメリカ・コロラドスプリングス。酸素の薄い状態に苦しみみつつ、5位。
「自分の納得いく演技に、ある程度近づけたんじゃないかなと思っています。(標高1800mの)ふつうじゃない状況の中でここまでできたのはまたひとつ大きな糧、自信につながると思います」
そして世界選手権を迎えようとしている。
「オリンピック以外では最高峰の舞台だと思うので、どこまで通用するか、ベストの演技をして行けるところまで行ってみたいです」
初めての舞台を心待ちにしている。