写真/青木和也 スタイリング/荒木義樹(The VOICE) 文/長谷川 剛(TRS) 編集/名知正登

美麗な革靴を背景に進化を続ける技巧派メゾン

 パブロ・ピカソにアンディ・ウォーホル、マルチェロ・マストロヤンニ、フランク・シナトラなど、世界のセレブリティを魅了してきたパリの老舗、ベルルッティ。宝石のようなドレスシューズを背景に、今やバッグ類にウエアなどトータルブランドとして進化を続ける注目のメゾンだ。

 その始まりは1895年、イタリア生まれの靴職人、アレッサンドロ・ベルルッティによりパリに開かれたビスポーク・シューズ(オーダーメイド靴)のアトリエが原点である。創業者が作り出した技法や製法はメゾンの重要な遺産であり、贅沢に一枚革を用いステッチを伏せつつ仕立てられた「アレッサンドロ」は、今もベルルッティの傑作靴として多くのファンを魅了している。

 そして長年に渡り蓄積された革を扱う技術やノウハウはさらなる広がりを見せ、2005年からは華麗な鞄や財布等を多彩に生みだし話題をさらっている。なかでもベルルッティだけの高級素材として知られる「ヴェネチアレザー」を用いたバッグは、独特の洒落感と色気を兼備する希有なアイテムとして、世界のウェルドレッサー達に愛用されるほど。定番的なビジネススタイルもベルルッティの鞄を添えることで、品格をキープしつつエッジあるスタイルに昇華できるのである。