写真/青木和也 スタイリング/荒木義樹(The VOICE) 文/長谷川 剛(TRS) 編集/名知正登

多彩な編み込み技で新たなモードをクリエイト

 1966年にイタリア北東部であるヴィチェンツァにおいて、ミケーレ・タッディとレンツォ・ゼンジアーロの二人により創業したボッテガ ヴェネタ。「ボッテガ」は工房を意味し、「ヴェネタ」は創業エリアであるヴェネト州を指している。職人技を生かした伝統的なレザーアイテムを展開するなかで、世界的に支持を得たのがイントレチャートのバッグである。

 イントレチャートはトスカーナ地方に古くから伝承されている編み込み技法。短冊状の革ひもを交互に編み込みつつ平面状に作り上げた素材は、精緻なミニマル美を感じさせる編み目パターンに大きな特徴を持つ。

 昨今はさらなる革新性を模索し、幅広の革材を用いた「マキシイントレチャート」などを打ち出し、モードに敏感な若者層からも強い支持を獲得。またレザー素材のみならず、ポップカラーのナイロン素材によるイントレチャートを完成させ、そちらでもすでに高評価を受けている。現在進行形で編み込みプロダクトの可能性を広げているボッテガ ヴェネタ。イントレチャートこそは同メゾンの確固たるアイデンティティのひとつとなっている。

 

【BASIC ITEM】革の質感とリズミカルな美観が味わえる

鞄(W38×H42×D9cm)¥361,900/ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

 ブランドの初期から継続的にリリースされてきた、伝統的イントレチャートの味わいを感じさせる「クラシック」シリーズ。しなやかさと強度を備えた細革による編み込み革材は、素朴にして普遍的なミニマル美を感じさせる仕上り。

編み込み技法のひとつであるイントレチャート。革の持つ風合いに加え、編み込みの表情が豊かな味わいを感じさせる

 写真のトートのほか、ボストンやドキュメント、ブリーフケース等のラインナップが存在し、若者から年配など幅広い層から支持されている。特に縦長フォルムのクラシック イントレチャート トートは、オン・オフ問わない優れた汎用性が大きな魅力。

滑らかなタッチのスエード製小型ポーチが付属する。本体は装飾に関し極めて控えめだが、ポーチにはロゴネームが配される

 最高品質のレザーが醸すエレガントな存在感を持つがゆえ、シックなテーラードジャケットにマッチするだけでなく、カントリー調のニットウエアやストリートなスウェットシャツの装いを格上げするポテンシャルも秘めている。新色を随時加えることでファンを増やし続ける高感度な定番アイテムだ。