学生長距離界のホープも世界に挑戦

 オレゴン世界選手権の参加標準記録は1500mが3分35秒00で5000mが13分13秒50。この高い壁に本気で挑んだ1年生がいる。田澤の後輩で三浦の洛南高時代の後輩でもある佐藤圭汰(駒大)だ。

2022年5月4日、ゴールデンゲームズinのべおか、男子5000m決勝での佐藤圭汰(駒大) 写真=アフロスポーツ

 1500m(3分37秒18)と5000m(13分31秒19)で高校記録を持つスーパールーキーは当初、1500mでの日本代表入りを目指していたが、4月9日の金栗記念選抜中長距離は3分42秒02の7位。4月24日の兵庫リレーカーニバルも3分41秒71の5位と思うようにタイムを残すことができなかった。

 一方、5月4日のゴールデンゲームズinのべおか5000mで吉居大和(中大)が保持していたU20日本記録(13分25秒87)を3秒近く更新する13分22秒91をマークしたことで、世界選手権のターゲットを5000mに変更。日本選手権では「表彰台」(3位以内)を目指して積極的なレースを展開した。しかし、後半は苦しい走りとなり、優勝した遠藤日向(住友電工)から30秒以上遅れる13分55秒08の17位に沈んだ。

「しっかり3位以内を狙って、いけるところまでいこうと思っていたんですけど、最初から全然動かなくて、最後の方もペースダウンして、不甲斐ないレースをしてしまったなと思います」

 佐藤は6月22日のホクレン・ディスタンスチャレンジ20周年記念大会で5000mの参加標準記録を狙ったが、13分48秒28の9着でフィニッシュ。オレゴン世界選手権の挑戦は終わった。

 それでも未知なる可能性を秘めた18歳は8月1日から6日にカリ・コロンビアで行われるU20世界選手権の3000mと5000mで日本代表に選出された。まずは世界の同世代と戦い、メダルを狙う。