三浦は日本選手権を連覇して即内定

 箱根駅伝は2区で区間11位に終わった三浦龍司(順大3)だが、今季のトラックシーズンは持ち味のスピードを存分に見せつけている。4月9日の金栗記念選抜中長距離1500mを日本歴代2位の3分36秒59で制すと、4月29日の織田記念5000mも強風のなかを13分32秒42で完勝。両レースとも圧巻のスパートを披露した。

 そして6月の日本選手権3000m障害は自ら切り込んだ。1000mを2分45秒、2000mを5分32秒で通過。すでに独走態勢を築いていたが、ラスト1000mで切り替える。ペースアップしただけでなく、障害に足をかけずにハードリングで跳び越えていく。昨年自身がマークした大会記録(8分15秒99)を塗り替える8分14秒47で連覇を果たして、即代表内定をゲットした。

2022年6月11日、日本選手権、男子3000m障害決勝での三浦 写真=西村尚己/アフロスポーツ

 ラスト1000mのキレに納得していなかった三浦だが、トラック種目のスピードは昨年よりも上がっている。障害技術を高めていけば、オレゴン世界選手権でも再び〝快走〟を見せるだろう。

 世界大会で金メダルを独占してきたケニア勢などは障害を越えるときのロスが小さくない。水濠ですら足をかけずに、持ち前のバネで跳び越えている。そのため、「跳び方の細かい工夫」をして、技術を極めていけば十分に戦えると三浦は考えているようだ。

 何より昨夏の東京五輪で7位入賞したことが三浦の自信と可能性になっている。

「自分が思ってもみなかった段階でオリンピックという舞台を踏ませてもらいました。いい意味で世界に身を置けたことで、これくらいの選手と戦っていかなきゃいけないんだな、という実感が湧きました。世界の壁は高いのですが、『絶対に届かない』という絶望みたいなものは感じていません。いい意味で期待と希望を持てたので、それはすごく大きかったと思います」

 今夏は自身が持つ日本記録(8分09秒92)を大きく上回る「7分台」にチャレンジする。

「7分台を目指していきたいですし、それが実現できたらカッコいいと思うので、やり切りたいですね。この1年間の成果を発揮して、まずは入賞を目指したい。結果を出すことで弾みになりますし、新たな課題を見つけることができれば、レベルアップできる要素が自分にあるということなので、どんな結果でもちゃんと収穫があるようにしたいです」

 男子3000m障害の予選は日本時間の7月16日(9時15分)、決勝は同19日(11時20分)に行われる。

 日本選手権10000mで10位に終わった田澤だが、他の日本人選手が参加標準記録を突破できなかったため、オレゴン世界選手権の代表に選出された。男子10000m決勝は日本時間の7月18日(5時00分)。10000mで日本人学生最高記録を持ち、昨季の学生駅伝では日本人選手に無双してきた〝学生長距離界のエース〟が世界に初めてチャレンジする。