文=酒井政人

2022年6月11日、日本選手権、男子3000m障害決勝での三浦龍司(順大) 写真=西村尚己/アフロスポーツ

オレゴン世界陸上で注目の選手は?

 日本時間の7月16日に開幕するオレゴン世界陸上。その舞台を目指して学生ランナーたちもアタックした。即代表内定となる条件は参加標準記録を突破して、日本選手権で3位以内に入ること。

 参加標準記録の有効期限は2021年6月28日(10000mは2020年12月27日)から2022年6月26日。オレゴン行きをめぐる戦いは昨年から始まっていた。

 最初の壁を突破したのは三浦龍司(順大)と田澤廉(駒大)だ。三浦は昨夏の東京五輪の3000m障害予選で8分09秒92の日本記録を樹立。同種目の参加標準記録(8分22秒00)を悠々とクリアすると、決勝でも7位入賞の快挙を成し遂げた。

 一方の田澤は昨年12月4日の日体大長距離競技会10000mで日本歴代2位の27分23秒44をマーク。同種目の参加標準記録(27分28秒00)を狙い通りに突破した。今年正月の箱根駅伝は2区で区間賞も獲得している。

 田澤は4月9日の金栗記念選抜中長距離5000mを学生歴代8位の13分22秒63で日本人トップを奪うなど、オレゴン世界選手権に向けて視界良好に見えた。5月7日の日本選手権10000mは「3位以内」に入れば即代表内定という状況だったが、8600m付近でトップ集団から脱落。28分06秒34の10位でレースを終えた。

2022年5月7日、日本選手権男子10000mでの田澤廉(駒大) 写真=長田洋平/アフロスポーツ

「金栗記念の後、コンディションをすごく落としてしまったんです。いつもは試合が終わった後は少し休んでから自分の練習をするんですけど、今回は休まずにすぐやってしまって、疲労が取れなかった。大事な試合で力を発揮できないという自分の弱さが出たと思っています」

 男子10000mで唯一、参加標準記録を突破していた田澤は日本選手権での即代表内定を逃した。