グレードアップした2代目が運行スタート

2代目「伊予灘ものがたり」 写真提供=JR四国

「伊予灘ものがたり」の初代車両は老朽化に伴い、2021年12月で引退してしまったのですが、今年の4月2日から2代目となる「伊予灘ものがたり」が装いも新たにグレードアップして登場しました。なんと今までの2両編成から3両編成に! 運転席がガラス張りで前面展望が楽しめる1号車「茜の章」、海向きのペアシートなどが用意された2号車「黄金の章」、そして新たに加わった3号車「陽華(はるか)の章」は大切な人と特別なひとときが過ごせる極上のスイートルーム。なんともゴージャスな編成ですよね。

3号車「陽華の章」の車内 写真提供=JR四国

 土・日・祝日を中心に1日4便が運行されますが、それぞれの便ごとに県内のレストランのシェフが腕をふるった異なるコースメニューが用意されているそうです。伊予灘の穏やかな海や、のどかな田園風景をゆっくりと眺めながら、愛媛県のこだわりの食材を使ったおいしいお料理を堪能できるなんて、もう言うことなしですね。

松山から伊予大洲までの区間で提供される「朝のひとときを味わう旬彩モーニング」3000円 写真提供=JR四国

 さらに、「伊予灘ものがたり」での最大の楽しみともいえるのが、沿線の住民の方々のおもてなしです。「伊予灘ものがたり」が通過するときに、地域の方々が手を振ったり、歓迎のメッセージを書いたボードを掲げてくれたりして、車窓から温かいおもてなしに触れることができるのです。

伊予灘沿いを走る「伊予灘ものがたり」写真提供=JR四国

 大洲城でも「伊予灘ものがたり」八幡浜編・道後編が鉄橋を渡る時に、本丸から列車に向かってのぼり旗をふってくれるといううれしい歓迎があります。運行日には1日2回この歓迎旗ふりが行われているそうで、ふってみたい人はその時刻に本丸に集合すれば旗ふりに参加でき、「伊予灘ものがたり」の乗客はそれを車窓から見ることができます。列車とお城でコミュニケーションが行われるのって、なんだかとても素敵ですよね。

下灘駅に停車する「伊予灘ものがたり」 写真提供=JR四国

 崖の上にそびえる大洲城はとても格好いいので、その姿が川越しにばぁーっと見えてくる様子は、私のように鉄道&お城が大好きな「城テツ」の人はもちろん、そうでない方にもたまらない眺望ではないでしょうか。