文・写真=村井美樹 編集協力=西垣一葉(春燈社)
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「伊予灘ものがたり」と大洲城 写真提供=JR四国
お城好きにもおすすめの「伊予灘ものがたり」
新緑がまぶしい爽やかな季節、今回はJR四国の「伊予灘ものがたり」をご紹介したいと思います。松山駅~伊予大洲駅・八幡浜駅間を走る観光列車ですが、鉄道&お城のセットの景色がとにかく素晴らしいのです。
お城というのは、大洲城のこと。鎌倉時代末期に創建され、その後は小早川隆景や藤堂高虎、脇坂安治などの有名大名が造営・整備してきた歴史あるお城です。現在のものは平成になってからの復元天守ですが、天守のひな形と古写真が残されていたので、それらを参考に極めて正確に復元されています。
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大洲城天守(左)と台所櫓
つい城好きの血が騒いでしまいますが(笑)、地元の方々が協力して柱材などを提供されていて、地域の熱い思いを感じられるとてもいいお城なんですよ。
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ヒノキの香が漂う天守の城内。柱材のほとんどは地元の方々の寄付木だそう
大洲城は肱川の河畔の丘の上に築かれた平山城で、愛媛県最大の河川であり清流として知られる肱川を天然の堀として利用しています。この肱川を「伊予灘ものがたり」が渡っていくのが、大洲城からはよく見えるというわけです。
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肱川越しの大洲城
私が大洲城を訪れた日は、残念ながら「伊予灘ものがたり」の運行日ではなかったのですが、普通列車や予讃線宇和海アンパンマン列車が肱川を渡っているのが見られました。
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大洲城から見た予讃線宇和海アンパンマン列車(上)と普通列車
美しい山並みを背景にとうとうと流れる肱川、そこに架かる橋の上を走っていく列車。その素晴らしい眺望が目に焼きついているので、「伊予灘ものがたり」が走る姿もさぞかし素敵だろうなぁと妄想しています。「伊予灘ものがたり」の車体のカラーは、伊予灘を染める夕日の茜色と、愛媛特産の柑橘類の輝きや太陽を表す黄金色をイメージしています。その鮮やかな色調やレトロモダンなデザインが、自然豊かな風景によく映えることでしょうね。