アップルは原材料や部品価格が上昇したにもかかわらず、iPhone 13の価格を据え置いた。これが中国消費者の好評を博している。同国はiPhoneの世界販売台数の2割を占めており、アップルにとって重要な市場だ。
アップルやテスラ向けの中国工場停止
しかし、ここに来て新たなサプライチェーン問題がアップルなどのリスクになっていると指摘されている。ロイターの別の記事によると21年9月下旬、アップルや米電気自動車(EV)大手のテスラ向け部品を生産する中国の工場が軒並み操業を停止した。
理由は当局による電力供給制限。習近平(シー・ジンピン)国家主席が掲げた二酸化炭素排出削減の目標達成が背景にあるという。これにより地方政府が電力制限を開始したという。
例えばアップルのサプライヤーである台湾・欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)は、中国子会社の3社が9月26日昼から同30日深夜まで生産を停止すると明らかにした。「地方政府の電力使用規制を順守するため」と説明している。
台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業系の乙盛(イーソン)精密工業はアップルやテスラに部品を供給しているとされるが、同社も9月26~30日に江蘇省昆山市の工場を停止すると発表した。
また、iPhoneのスピーカー部品を製造する台湾の康控(コンクラフト・ホールディングス)は江蘇省蘇州市に製造拠点を持つが、同社も9月30日正午まで5日間生産を中止すると明らかにした。
こうした状況についてアナリストらは、「石炭の供給抑制や二酸化炭素排出基準の厳格化によって電力不足が生じている。一部地域で重工産業が縮小し、中国の経済成長を抑制している」と指摘している。
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