19年10月にはフェニックスでオペレーターが乗車しない、完全自動運転の配車サービスを一部利用者を対象に開始。その1年後の20年10月に同都市で無人運転サービスの一般提供を開始した。

 一方、同社は2009年からサンフランシスコ市の公道で、客を乗せない試験走行を行っている。現在は週に10万マイル(17万キロメートル)以上走行しているという。だが、サンフランシスコの交通状況はアリゾナ州の郊外とは異なり複雑。ウェイモにとって新たなチャレンジになるとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

 19年から20年9月までの期間、同社の自動運転車はフェニックスの都市部で計18件の交通事故を起こした。他車のほか、歩行者や自転車との衝突事故だったという。

積雪に対応できず、NYでは実現不可能

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ウェイモがこのサービスを全米規模で展開するためには気の遠くなるような作業が必要になると元幹部は話している。自動運転サービスを実現するには、地域ごとに詳細な走行データを記録したり、システムをトレーニングしたりして地域の交通ルールを徹底的に把握しなければならないからだという。

 ニューヨークは世界最大級の配車サービス市場。ただ、ウェイモの自動運転技術はまだ積雪に対応しておらず、米北部での展開は遠い夢。同社は当面、ジョージア州アトランタやテキサス州オースティンなど南部サンベルト地帯での展開に重点を置いていると同紙は報じている。

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